Guilty (ページ21)

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プラムとチョコラテページ21

志保から送られてきたドレスをクローゼットにかけていく。
どれもハイブランドの新作。秋冬物らしくダークカラーが多い。
チョコレートブラウン、プラム、バーガンディ、ダークパープル、ディープブルー、ブラック、ダークシルバー、ゴールド、深紅、クレージュ。
大胆さはないが、スタンダードの中に繊細さとラグジュアリーさを兼ね備えている。
ノーブルなものもあれば、少し大胆なスリットの入ったものもある。
靴はシルクサテンのリボンが大胆に飾られたものから、繊細なビジューをふんだんに使ったもの、レースアップのサンダルなんて絶対自分では選びそうもない。

どれをとっても女の心を満たしてくれるものなのは確かだ。

鏡の中の自分に一つ一つ合わせてみるとうっとりするほど美しいドレスたち。
憂鬱だったパーティーが楽しみに感じてしまうほどだ。

明日はどれにしようか？

プラム色のワンピースドレスを合わせた。

それから、ヌードカラーのサテンのパンプスに黒のクラッチバッグ。繊細なビーズ刺繍にうっとりとした。

「これに決まりね。」

浮足立っている自分がなんだか気恥ずかしいが、これも自分なのだから仕方がない。

いつものように書類整理を終えて2階のコーヒースタンドでブラックコーヒーを頼んでソファーに座った。
今日は早く切り上げて一度自宅に帰らなければならない。
三成物産のパーティーは１９時からだから逆算しても１７時にはここを出なければならないし、契約書の作成を今日中には終えたい。

熱いコーヒーを口に含み天井を見上げてゴクリと呑み込んだ。
喉から食道、胃へ続く熱くジリジリとした感覚に瞳を閉じてそれを味わうと自然とため息が零れた。

「牧野さん。」

上から声がして目を開けると美しい男の顔がニコニコして自分を見下ろしていた。

顔を上げて、上体をまっすぐにしてだらしなく投げ出した足を直した。

「お疲れですね。」

ユノは口に手を当てながらクスクスと笑っている。

「あっ、お見苦しいところをお見せしてすみません。」

恥かしくて仕方なくて、ユノを直視できない。

「いや、見苦しいなんてことはないですよ。
ただ、真面目な弁護士さんもお疲れなんだなって。」

カップに注がれた甘いチョコラテの香りがAの鼻孔をくすぐった。