Guilty (ページ20)

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荷物ページ20

「牧野さん、お荷物届いてますよ。部屋に置いてあります。かなり大荷物ですけど。」

エイベックスから戻って郵便物を受け取ると、事務員に声を掛けられた。

「誰から？」

「熊川さんって方からです。」

「熊川…」

頭の中で該当者を検索した。ヒットしたのはただ一人。

「ああ、ありがとう。」

自分の事務室に入ると大きい段ボールが置かれている。

送り主はやっぱり志保だった。

段ボールを開けるとドレスが10着、靴が５足、それからバッグが３つ。

すぐに志保の番号に電話をかけた。

数回のコールの後、志保が訝しそうに出た。

「もしもし、牧野ですけど。」

「Aさん？って、ことは荷物が届いたってことね。ふふふ。」

志保は楽しそうに笑っている。

「これって…。」

「ああ、パーティードレス。使って。」

「お金、今度払います。」

「要らないわよ、どうせブランドの提供品だから。
　お金のことは心配しないで。あっても、使わないものだし。」

志保が言っていることの真偽はわからない。

「そうなんですか？」

「まあ、これでも色々仕事の依頼は多い方だから方々からサンプル品もよく届くし。」

確かに志保の契約書に目を通したら、仕事内容は東方神起の衣装はごく一部でしかなく、他に女優から歌手、モデルまで幅広い。

「そういうことですか。」

志保の仕事の幅広さを考えたら妙に納得してしまった。

「そうそう。これか年末年始にかけてパーティーシーズンでしょ？」

「そうですね。確かに多いです。」

実際にクリスマスや忘年会、新年会といくつかパーティーに呼ばれていた。それらをどうするか考えあぐね居ていたところだ。

「だから使って。あ、ちなみにエイベックスのパーティーの時は私が別に準備しておくから。
　それから、たまにサンプル品送るから使って。」

志保の楽しそうな声を聴いて素直に受け取ることにした。

「じゃあ、遠慮なくいただきます。」