Guilty (ページ2)

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目についた女性ページ2

開始から１時間ほど遅れて着いた会場をマネージャーとともに挨拶をして回った。
女優に、タレント、歌手と所属タレント、関係者で数百人が集まるこの会場で主役を探すのは至難の業だ。
いつの間にか一緒に居たマネージャーも、チャンミンも居なくなっていた。

「ユノさん、久しぶりです。」

笑顔で話しかけてきたのは、以前ライブで使用した映像で共演した女優の卵。
とても愛らしい顔をして、ほっそりとした手足。白いドレスがとても似合っていた。

「お久しぶりです。元気でしたか？」

「覚えていてくれたんですか？嬉しい。」

少し大げさとも言えるその仕草は、普通の男には可愛いといえるものだろうが生憎とそういう態度に慣れている自分にはあまり効果を発揮していない。
その女優は、一生懸命話しているが会話の７割は自分の耳に入ってこない。

だって、やっと見つけた社長は同じ年かさの男性と話しているし、その後ろで退屈そうに過ごしている女性が視界に入ったからだ。

黒いドレスに白い肌。ゆるくアップにされた髪が邪魔なのか時折耳にかけなおしている。
その耳にきらりと光るパールのピアスがそのたびに揺れた。
そして自分の足元に目をやると少し顔をしかめている。

初めて見るその顔は、どう考えても所属タレントでも女優でもなさそうだ。
そもそも所属タレントや女優、歌手ならもっと社長にあいそうを振りまくだろうし、周りにも自分を売り込むだろう。

例えば目の前の女優のように。

シャンパングラスは手の中にあるが、飲むこともせずただの飾りのように持っているだけ。
そのシャンパングラスにやっと口をつけてから、下唇をかみ始めた。

彼女がとても退屈そうにしているのと、しきりに足元を気にしていることが気になって助け舟を出してあげることにした。
　
それに、もうこの女優のアピールにどう返答していいのかも困ってきたころだったから。