結婚恋愛 (ページ7)

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仕事ページ7

「大きさはいわゆるA2サイズ。ポスターサイズですね。
　写真はいくつかピックアップしておきます。」

宮田が依頼内容を具体的に話し始めた。

「A2ですか…それだと自宅にスペースがないんですけど…。」

自宅で作っているのは大きくてもA3サイズまで。
ソファーをどければスペースを確保できなくはないが、大きさを考えると長期間時間がかかる。
その間にそのスペースを保全するには無理がある。

「ああ、そうですか。この会議室使っていいですよ。押さえておきますから。
　明日とか来られますか？道具で必要なものとかあれば教えていただければ。」

呆気なくスペースが確保されることが確約されるとホッとした。

「道具はこちらで揃えますが、白と黒と、それから紫とブルー、赤の用紙を何枚か準備していただければいいです。」

すでに作品のイメージは決まっている。
2人は黒で、誕生日を祝う言葉は赤。
名前はそれぞれの好きな色。
ユノは青で、チャンミンは紫。

「わかりました。A2サイズでいいですか？」

宮田が手早くメモにペンを走らせた。

「はい。あとはアクリル板の額を」

アクリル板の額は切り絵が引き立つ。

「わかりました。では、明日までにいくつか写真をピックアップいておきます。」

「よろしくお願いいたします。」

Aは頭を下げた。

立ち上がって会議室を出ると、エレベーターまで宮田に先導された。
下降のボタンを押して待っていると宮田が沈黙を破った。

「あなたはとても賢い女性ですね。
　ファンらしくないと言えばファンらしくない。
　普通なら手放しで喜ぶはずのことなのに、そこまでビジネスライクに考えられる女性は貴重です。
　僕が独身ならあなたを口説きたいくらいです。」

宮田があまりにもサラリと言うものだから、頬が赤くなるのを感じた。

「おっと。その上、シャイなんて男心をくすぐりますね。では。」

そう言われたと同時にエレベーターの扉が開いたので、頭だけ下げてエレベーターに乗りこんだ。