結婚恋愛 (ページ49)

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受け入れられる心地よさページ49

「お腹空いたよ。Aちゃん。」

座って片づけているAの背後から抱き着いた。

「甘えたって許してやらない。今日はお風呂一人で入って。」

プンプン起こりながら下着を整理していく。

「イヤだよ。それは譲れないもん。入浴剤入れていいから一緒に入るの。」

絶対にそれは譲りたくない。
自分だけの特権だから。

「じゃあ、おとなしくダイニングで座ってて。」

立ち上がって部屋着を手に取ると着替えをするからと目で合図をした。

「はーい。」

寝室から出てダイニングチェアに座った。

そこにAが部屋着に着替えてエプロンをつけながら入ってきた。
今日は水玉模様のエプロン。新妻は髪をアップにして手際よく料理を作っていく。
カウンター越しにそれを見ているのが楽しい。
つい鼻歌を歌ってしまう。

「なんかいいことあったの？」

鼻歌はご機嫌な証拠だというのがなんとなくわかる。

「いいことと言えばいいことだね。」

両手で頬杖をついてAを見つめた。

「なに？」

その視線を感じてユノに視線を移した。

「Aの愛情を感じただけ。」

「へ？」

口をポカんと空けたAはちょっと間抜けだった。

「まあ、いいじゃないの。」

Aはにんまりと笑ってキッチンを眺める図体のでかい夫をかわいく感じた。

「髪乾かして。」

新婚３日目に夫から新しい要求。

「そんなの自分でやってよ。」

ぶっきらぼうに答えると。ドライヤーを持ってAのそばから離れない。

「いいじゃん。奥さんに髪乾かしてもらうのが夢なの。」

まるで怒られた子供のようにシュンとしながらつぶやいたユノにキュンとしてしまった。

「わかったからそこ座って。」

ソファーに座ると後ろから髪を乾かそうとしているAの手を取った。

「違う。前から。」

今日はダニエルとキティーのペアのパジャマ。
Aがなんだかんだ自分を受け入れてくれるのが心地いい。
自分本来の甘えたがりの部分も、ストンと受け入れてくれる。
普段受け入れる側が多い自分が、こうして受け入れられるのは気分がいい。
柔らかな指が自分の髪を梳いていく。その左指にはマリッジリングが輝いていた。

「ねえ、A、もう一回ユノって呼んで。」

目を閉じてAの心地よい手の動きを味わいながらお願いをした。

「嫌よ！」

「ひねくれてるな。」

「そうよ。あなたと同じくらい。」

「あはーはーはー！いいよ。その感じ。」