結婚恋愛 (ページ46)

今日:2 hit、昨日:8 hit、合計:212,170 hit

本気ページ46

「お前、どこまで本気なの？」

宮田が少し落ち着き払った声でユノを見下ろしていた。

「全部。」

ユノは額を手にして光の加減を見ながら答えた。

「彼女は了承してるのか？」

呑気なユノの行動に焦れていく。

「なにを？」

ユノがやっと宮田に視線を向けた。

「お前付き合わないで彼女と結婚したんだろ？」

宮田は最初から知っていた。でもそれに気が付かないふりをしていた。
婚姻の手続きを実際にした自分だが、それでも疑問はいっぱいあった。

「ああ、そういうことか。そうですけど。」

ユノは意にも返さない返事をした。

「彼女、本当はとても純粋で繊細だよ？」

普段あまりユノにイライラしないのに妙に苛立つ。

「わかってる。だから俺もすごく戸惑ってる。」

宮田に言われなくてもそんなの百も承知だ。

「お遊びじゃない。お前が遊びで女と付き合うタイプじゃないのも知ってるから。」

もうすでに８年近くの付き合いになるからユノの性格も私生活も知っている。

「うん。本気。それに俺の方が彼女にどっぷり。」

たった２日でAにどっぷりハマっている自分が居るのは認めざるを得ない事実だ。

「だろうな。お前が結婚なんて言うくらいだから。」

最初は違った。自分の中に芽ばえた感覚と、チャンミンを手なずけた物珍しさだったし。

「最初は単純にチャンミンが懐いた相手に興味が沸いた。
でも、いつの間にか彼女と絶対結婚するって思ってた。」

「まあ、その方がうまくいくかもな。結婚がスタートで相手に恋していくなんて理想だもん。」

宮田は目を細めた。

「ふふふ。彼女、すごく可愛いんだ。」

ユノはAとの結婚を宮田に本当の意味で了承してもらえた気がした。

「わかるよ。お前のその顔見てたら。」

宮田がユノの幸せそうな顔を見て口元を緩ませた。

「うん。」

「ま、大事にしてやれよ。チャンミンは心配してたけど。」

ユノの肩をトントンと叩くと玄関に向かった。
それに続いてユノも玄関に向かう。

「うん。あと、いずれ彼女の心も手に入ったら公表してもいいかな？」

ファンにも自分にもそしてAにも誠実でいたい。

「ああ、いいと思う。お前らもいい年だし。上とも話しておくよ。」

「ありがとう。マネヒョン。」

「口の端に卵ついてるぞ。」

「あっ。」

慌てて口元を手の甲で拭った。

「羨ましいな。新婚って。俺も新婚に戻りたいよ。
　じゃあ、明後日な。」

宮田の優しさに感謝した。