結婚恋愛 (ページ41)

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自宅と呼べる場所ページ41

玄関に入るとユノが出迎えてくれた。

「おかえり。随分と可愛くしてもらったね。」

Aを頭の先から足元まで見つめた。

「ただいま…。」

恥ずかしくていたたまれなくて無意味に着て行った服を入れた紙袋で体を隠した。

「千恵さんは俺の好みをよくわかってるから。
　嬉しいな。Aがそんな格好してくれると。
　相川くんが荷物持ってきてくれて寝室に置いてあるから。」

玄関からリビングに向かうユノの後ろ姿はとても絵になる。
ここが自宅になるのかと今更ながら思った。

「ユノさん、ありがとう。」

「ん？」

ユノが振り返った。

「服とか靴とか…色々。」

「夫の役目でしょ。奥さんが綺麗になるのは夫としては喜ばしいことだから。」

ユノは笑いながらAを見つめた。
Aと結婚して本当に良かったと思う。
まだ1日しか経ってないのにAのことを知ることができた。

「あ、千恵さんがこれ渡してって。」

知恵から渡された紙袋を渡した。

「ああ。ありがとう。そんなところに突っ立ってないで入って。自分の家なんだから。」

「あ、はい。」

玄関のカギとチェーンを閉めてユノの後に続いた。
寝室に行って紙袋から丁寧に服を取り出してクローゼットにかけていく。
隣にはユノの服。それに並んだ自分の服。
何とも言えない感覚だった。
それから、下着をしまった。
一つ一つ丁寧に包装されたランジェリーは特別な気分にさせてくれた。
靴も取り出してシュークローゼットに収めた。
一通り片づけてリビングに戻るとソファーに座っていたユノが立ち上がった。