結婚恋愛 (ページ34)

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ペアとベッドページ34

「なんですか、このパジャマ！」

風呂から上がったユノを待っていたのは仁王立ちになったA。
ペアのパジャマ。当然Aがミニーで自分はミッキー。
Aの下着はクローゼットの中から一番繊細そうなレースでできた下着を選んだ。

「ペアだけど。」

平然と答えると、さらにAの怒りのボルテージは上がっていた。

「そりゃわかってますよ！なんで、私のパジャマがなくなってるんですか？」

「え、新婚はペアに決まってるだろ？
　食器も、パジャマもペア。ついでに言うと、これドナルドとデイジーバージョンもあるよ。
　下着はさすがにペアってわけにはいかないけどね。
　つけてるんでしょ？俺が選んだやつ。」

Aが顔を真っ赤にしてリビングを後にした。

次に待ち受けているものが何か全然気が付いていない様子で、寝室とは別方向に足を進めた。

Aがどこに行くかは見当が付いている。
案の定、玄関横の部屋に行ったAが悲鳴に近い声を上げた。

「えー！ベッドがない！」

やっぱり。シングルベッドを二つ注文していることを相川から聞いて、即座に取り消した。

リビングに戻ってきたAは赤い顔から青い顔になっていた。

「甘いんだよ。新婚って言ったら相場はダブルだろ？
　ついでに言うと、キングサイズにしておいたんだけど。
　気づかなかった？寝室何度も通っただろ？」

鼻で笑ってからミネラルウォーターを口に含んだ。

「あれは、ユノさん一人が寝ると思って。」

寝室にあるウォークインクローゼットを使うのはさして疑問には思わなかった。
なぜなら玄関横の部屋には収納がほとんどないからだ。
いずれチェストを購入すればいいかと思って今日は寝室のクローゼットに服を納めたからだ。

「俺の為を考えて一つはロングサイズにしたのは褒めてあげる。
　でも、夫婦は同じベッドで寝ないと。」

「…じゃあ、ソファーで寝ます。」

本当は今日の疲れをでゆっくり寝て取りたかったが苦肉の策だ。

「それはダメ。女の子をソファーでなんて寝かせられない。」

ユノはピシャリと言い放った。

「じゃあ、ソファーで寝てください。」

ムッとして十分な大きさのカウチソファーを眺めながら寝れるだろうと勝算を持って答えた。

「俺がソファーで寝て風邪ひいたらファンが悲しむ。」

確かに、ユノが風邪をひいたらファンが悲しむ。
それを言われた、ファンの自分は何も反論ができない。