ため息 ページ47
「いってきます…。」
誰も居ない室内に声を掛けた。
応えは何もない。
当たり前だ。
でも、言わずにはいられなかった。
カギを閉めてため息をついた。
「また幸せが逃げちゃう…。」
自分のため息に皮肉を込めて口元を歪めた。
トレンチコートの下はチャコールグレーのスーツ、きっちりまとめ上げた髪。
あと少しで実習が終わり。
就職活動もしなければならないのはわかっているが、まだ自分がどうしたらいいのか決めかねている。
国家試験は編入前に十分すぎるほど勉強しているから、何とかなると思うがその先が問題だ。
「はぁ…あっ」
ため息をつきかけて慌てて右手で口を覆った。
「いけない。さっき自分で言ったのに…。」
今度はおかしくて笑ってしまった。
早朝の地下鉄は空いている。
十分なパーソナルスペースを守れる静かな車内が結構好きだ。
車内でそっと本を開いた。
乗り換える駅は３０分ほど先だ。
車内の大半はサラリーマンだろう。
自分と同じように本を開いている人か、うたた寝をしている人がほとんどだ。
その光景に目を細めてから自分の手元の本に視線を落とした。
３ページほど読み進めたが、心地よい揺れに次第に瞼が重くなってきて、ウトウトし始めてあきらめて本をバッグにしまった。
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chie(プロフ) - <綺麗に>お風呂に一緒にお風呂に入って…気が急いてる♪ (2017年1月21日 2時) (携帯から) (
レス) id: bc37bde429 (このIDを非表示/違反報告)
chie(プロフ) - 誤字報告。<ため息>静かな社内→車内 (2017年1月19日 1時) (携帯から) (レス) id: bc37bde429 (このIDを非表示/違反報告)
chie(プロフ) - 誤字報告。<我慢>着ける→点ける (2017年1月19日 1時) (携帯から) (レス) id: bc37bde429 (このIDを非表示/違反報告)
maimai(プロフ) - kaedeさん» そうなんですよね。でも、否応もなしにやってくる(笑) (2016年12月27日 23時) (レス) id: 08ffa3699f (このIDを非表示/違反報告)
chie(プロフ) - ごめんなさい。誤字報告ダブりました。以後気をつけます。 (2016年12月24日 2時) (携帯から) (レス) id: bc37bde429 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：maimai
| 作成日時：2016年11月24日 22時
