ある男が幸せだった話 (ページ7)

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201901・kj side ページ7

ﾁｭｯ

何が起きたのか理解するのに丸二秒かかった。

唇に振れたのがめめ唇だと分かった瞬間、ﾎﾞﾎﾞﾎﾞｯと熱が体中に駆け巡った。

「～～っ///」

慌てて離れると何だかもの言いたげな顔をするめめ。

「なっ、何するん？！」

「好きな人が泣いてたから。」

「はあっ？！どーゆーこと？！意味分からん！第一理由になってへんし！」

「嫌､､､だった？」

「嫌とか以前に可笑しいやろ、俺男やで？」

「じゃあ、嫌じゃなかった？」

「嫌､､､ではなかった。」

びっくりはしたけど嫌では無かったことは事実。自分でも不思議やけど。

俺は別に男を好きやったことはないし、普通に可愛い女の子好きやけど、でもめめにされたキスは嫌やなかった。

でもそこで何故か素直になれないのが俺。

「って！そーやなくて！年上をからかうもんやないで？良くないで、ほんまに。本気にしちゃう人もおるんやから。」

そうまくしたててトイレに逃げた。

扉にもたれてそのままずるずると座り込んだ。

１人で冷静になった笑えてきた。

確かにめめとは仲良いし、自分が距離感バカなのも自覚しとる。

きっとめめもその延長線だったに違いない。

よく考えたらおかしな話や。

あんなにイケメンでスタイルよくて、おまけに優しいめめが女の子に困る訳ないし。わざわざ俺なんか好きになる理由がない。

そう思ったら次は少し腹が立ってきた。さっきの俺のドキドキを返せって話よね。

ほんま良くないわ、あーゆーの。

一言言ってやろうとトイレを出る。とドアの目の前にめめがいて思わず悲鳴を上げて飛び上がった。