ある男が幸せだった話 (ページ33)

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202102・kj side ページ33

スノボは慣れない筋肉を使うんか、はたまた別の理由からか、翌日は全員筋肉痛で、予定変更してイチゴ狩りをしに行くことにした。

東京方面に車を走らせ、ふっかさんが探し出したイチゴ狩りのできる農園さんで楽しんだ。

楽しい時間が過ぎるのはあっという間で、照にぃが皆の家まで送ってくれて、俺も自分の家に着く。

たった一泊家を開けていただけなのに、床も空気もキンキンに冷え切っとって、震えながら床暖房とエアコンをフル稼働し、お風呂にもお湯を張った。

「やっぱり自分の家は落ち着くなあ」

なんて呟きながら今回の旅行で撮りまくった写真をカメラからスマホとパソコンに移し、更に今回のために作った四人のグループトークで送信した。

まだ運転してるのであろう照にい以外から「写真ありがとう！」「楽しかったね！」なんてメッセージが届き自分も返信しようとしたとき、手の中のスマホが震え、蓮からの着信を知らせた。

「もしもし？蓮？」

「あ、もしもし。今大丈夫だった？」

「おん。蓮も家着いたん？」

「うん、今着いた。家めっちゃ冷えてた笑」

「うちもや！今暖房も床暖房もつけとる」

「でもやっぱさ、家が一番落ち着くよね。」

「そーなんよなぁ、さっき思っとった。地方公演の時も毎回思うけど、家に帰ってきたときの安心感半端ないんよなぁ、」

思っとることとか、感じ取ることが蓮と同じっていう些細なことが嬉しい。

ひとしきり喋って、気付けばもう一時間近く経っていて、そろそろ切ろうかな、なんて思っとったら。

「康二今ベランダでれる？？」

「おん。出たで。さっむ！」

「月が、綺麗ですね。」

「､､､っ、俺、死んでもいいわ。」

「俺は康二に死んでほしくないけど。」

「だってそういう意味ちゃうやん！もう！お休み！」

「うん。お休み。」

急に雰囲気変えるからこっちが照れてまうけど、まあそんなとこも好きだって思う俺も大概なんかな。