ある男が幸せだった話 (ページ32)

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202102・mg side ページ32

大して飲んでないはずのふっかさんが酔っぱらいはじめ、これまた大して飲んで無いはずの康二が眠気を訴えた。

ああこれ、照くんが言ってたやつじゃないのか、と密かに照くんと目配せる。

何にも気づいてない振りしてちょっと意地悪する照くんに苦笑いがこぼれる。

気が済んだらしい照くんがふっかさんと部屋に帰って、康二と２人っきりになった。

せっかく２人っきりなのに、さっきの酔っぱらいセリフはどこへやら、またお酒を飲み始めた康二。

じっと見つめてたら目があって、嬉しそうに笑いかけてくる。

「蓮？どしたん、そんなに見つめて。」

「康二は、ふっかさんに何か言われたの？」

途端に顔を赤らめて「なんも！なんも言われとらん！」って慌てるから、それはもう肯定してるのと同じこと。

距離を詰めて顔を近づける。

「ほんとに？」

「､､､夜ちゃんと楽しめよって、言われた､､､けど､､､､､」

「けど？」

「､､､っ、俺、そんなつもりなかったから、なんも準備してきとらん！」

そんな風に言わないでくれ、俺を煽ってるだけって気づいて。

よく見れば胡座をかいて座ってるから浴衣ははだけてるし、お酒はいって顔赤らんでるし

､､､なんか、やばい。

「俺が、そんなつもりないと、思った？」

楽しい夜は、これから。