201901・kj side ページ4
朝、アラームに起こされて支度を始める。
今日はどの服来てこうかなって考える時間が、すごく楽しかったりする。
１月下旬の寒さはまだまだ厳しいからアウターと中の組合せに悩みまくって、ホテルに積んだカラーケースの中をひっくり返してコーディネートを完成させた。
気がつけばもう家をでなくてはいけない時間で、慌ててキャップをかぶって家を出た。
待ち合わせ場所にはもうめぐきゅんがいて、スタイルが良いので遠目からでもすぐ分かる。
「めぐきゅん！お待たせ！」
「お、康二くん。おはよ」
「待たせちゃった？ごめんな。」
って謝ると、「ううん。今来たとこ。」なんて、彼氏の鑑みたいな返事が返ってくる。
「ほな、行こか！」
今日は東京に詳しくなる目的も込みで、いろんなとこいって服とか雑貨を見る予定やった。
ピロンと着信を知らせるスマホに何気なく目を落とすと、
《康二、大丈夫か？》
なんてるたくんが送ってきてた。
それこそ上京直後は泣き言をこぼしたこともあったけど、今更思い当たることはない。
《なんで今更？元気やでー》
《ならええわ》
《なんや！気になるやん、なんかあったん？》
《いや、なんもないよ》
《おーしーえーてーやー！》
《じゃあ教えるけど、気い落とすなよ、》
その後送られてきた写真に絶句する。
梅田に貼られている俺らのポスター、その中のめめ、ラウール、そして俺の顔に、大きな罰印が、爪で引っかかれたように書かれていた。
《なんやこれ！ひどいわあ、まあこんな事で落ち込んだりせえへんから、大丈夫よ！教えてくれてありがと！》
とりあえず龍太君にはそう返したけど、胸は嫌な感じにざわざわが止まらなかった。
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作者名：さつき | 作成日時：2020年4月10日 15時
