ある男が幸せだった話 (ページ25)

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202002・kj side ページ25

想いが通じ合った日から一週間後、久しぶりの9人全員でのお仕事。

俺達もそれぞれ忙しくさせてもらっとって何だかんだ会えとらんかったから、前の日にお泊まりしてそのまま２人で現場に向かった。

２人で入ってきたのを目ざとく見つけたふっかさんが意地の悪い微笑みでご飯に誘ってきた。

俺の気持ちに気付かせてくれた恩があるから承諾しようとしたら、めめが俺も行くって言い出して、しょっぴーも行くって聞かなかったから、四人でご飯に行くことにした。

このメンツって珍しいよなーなんて言いながら入ったのは感じの良い居酒屋の個室。

聞けばめめはずっとしょっぴーに相談してたって言うから、こちらの事情は丸見えな２人なわけで。

改めてご報告すると、２人とも自分のことのように喜んで祝福してくれた。

「いいなー、めっちゃ幸せそうじゃん、」

と強くもないお酒をあおるふっかさん。

「お前らだって最初はこんな感じだったじゃん」

って言うしょっぴーの言葉に引っかかった。

「お前らって？深澤君つきあってる人いるの？」

同じ疑問を抱いたのであろうめめが問う。

「ばっか、言うなってば。」

「だって２人の話聞いたんだしフェアじゃないだろ。」

「まあいっか。俺と照。まあそういうことなのよ。」

ええええ？！知らんかった。

「ちなみに６人は知ってるんだけどね」なんて言われてこれまで気付かなかった事にも驚いた。

まあ確かに二人の間には他の人が入れないような空気というか、絶対的信頼があるのは分かっていたけども。

でも２人がそういう関係だと知って、なんだか嬉しかったのは、少なからず男同士ということに不安を抱いていたからなんかな。