逃亡廿参 ページ24
と、いうことで高橋様に聞こうかとおもいまして。
「…………」
「…………」
だけど、高橋様と会うと必ず五分は沈黙になる。
「……あの、高橋様」
「………」
話しかけても無言。
最初はたじろいだが、今はもう気にしない。
「……今西様のこと、ご存知でしょうか…」
答えないだろうと思ったが一応聞いてみた。
聞くに越したことはないからね。
「………」
予想通りの沈黙。
ですよね。
知らないのだろうならば変なことを聞いて申し訳いです………。
「すみません、気にしないで下さい…」
はあ、今西様どうしたのでしょうか…。
「すみません少しの間席を外させてください。すぐに戻って参ります。」
今猛烈に厠に行きたいです。
高橋様に背を向け戸を開けようとした。
けれどその手を高橋様に後ろから掴まれた。
え。
あ、あぶない、声出すところだった…。
「俺が殺した」
高橋様の声を聞いたのは初めてだと思う。
それくらい喋らない人。
言ってることが理解出来ない。
「なんの冗談でしょうか」
震えながら、後ろにいる高橋様に問いかける。
高橋様が、今西様を……?
「派手に考えろ」
高橋様が発したのは天元様の口癖。
ああ、来てしまった。
…いや、元からいたんだ。
怖くて後ろを向けない。
向きたくない。
でもトイレに行きたい。
天元様から逃げたい。
捕まりたくない。
どうしよう。
信じたくない。
堕姫様。堕姫様。
考えるのは堕姫様のことばかり。
2623人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
麗葉 - 堕姫様ってよく考えたら「片付けろ!」とか「花魁の言うことなのだから禿はしっかりこなせ!」ぐらいしか言ってない、、、梅様LOVEです。 (5月17日 0時) (レス) @page42 id: 14fd5e9416 (このIDを非表示/違反報告)
陽毬(プロフ) - 素晴らしい皮肉とツンデレを交えた濃厚なメリバヤンデレ……最高過ぎます。話のテンポも軽快で終わり方も素晴らしいです。書いてくださりありがとうございますm(_ _)m (2023年1月10日 0時) (レス) @page42 id: 22cb640d25 (このIDを非表示/違反報告)
ザイ(プロフ) - はれて堕姫様推しになりました!!最高です!! (2022年12月10日 8時) (レス) @page42 id: 699f0917a9 (このIDを非表示/違反報告)
アキ(プロフ) - 堕姫さま、、、、、😭😭😭😭 (2022年10月20日 6時) (レス) @page42 id: 011262e667 (このIDを非表示/違反報告)
バレーボール - 堕姫様推しとしてとても素晴らしい作品に出会えて光栄でした。ありがとうございました。 (2022年2月21日 20時) (レス) @page42 id: a6efa60e38 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:赤目のなりすまし | 作者ホームページ:http://instagram.com/nuka___1111
作成日時:2019年9月12日 21時