私の客を取らないで【鬼滅の刃】

逃亡廿弐 ページ23

もしもこの二人のどっちかが天元様で変装しているのだとしたら、どうしよう。

この二人じゃなくても、私の客の中にいたのだとしたら……。




そう思うだけでゾッとする…





天元様の変装はかなり変わる。
だからパッと見天元様だとわからない。



いや、でもさすがに身長が足りないか。

馬鹿な考えはやめよう、と思ったのだが、




だが、天元様と同じくらいの身長の方がいるのを思い出した。







高橋様だ。
常連客でもう十何回は会っている。




でも高橋様は身長は天元様と同じだが、地味で喋らないし顔も傷だらけ。
髪がボサボサで顔といってもほとんど見えない。


だから違うって勝手に解釈してた。









高橋様が来る前に、蕨姫に確認をしようと思い蕨姫の部屋へ向かった。


確認というのは、今西様の件について。





蕨姫がなんらかの理由で今西様を殺していたのだとしたら、直接聞くのが手っ取り早いと思った。


なんでそう思うのかって、蕨姫が私のお客様をかなりの確率で殺すからです。






「蕨姫、今西様を殺しました？」

部屋へ入ってすぐに本題を切り出した。
これが第一声。

ものすごくどストレート。





「はあ？そんなことするわけないでしょ」

疑ってんの？と一ギロリ。



「え、違うんですか？」

予想外の返答に少しびっくり。


私八割蕨姫だと思っていた。
いや今もかなり疑っている。





「身請け話を持ってきただけの男を殺すわけないでしょ？馬鹿なの？」


いや本当本当にその通りだと思うんですけど…

「でも何かと私の客を殺すから今回も…」





「知らないわよ、本当に迷惑な奴ねぶち殺されたいの？？？
そもそも死んでるの？病気になったとかそういうんじゃなくて？」



「よく、分からないんです」


情報が本当に無くて。

だから蕨姫を疑うしか無かった…。
うう、許してください蕨姫。




「なら私を疑う前に手当り次第聞いて来る事ね話はそれから」


「分かりました…」








と、いうことで高橋様に聞こうという結論に至った。






「…………」

「…………」



だけど、高橋様と会うと必ず五分は沈黙になる。







「……あの、高橋様」

「………」


話しかけても無言。
最初はたじろいだが、今はもう気にしない。




「……今西様のこと、ご存知でしょうか…」

答えないだろうと思ったが一応聞いてみた。
聞くに越したことはない。

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