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逃亡廿 ページ21

「蕨姫、この話私は拒否しますよ。」


安心してください、とガッツポーズまでおまけで付けた。




「当たり前でしょ」

「ふふふふ」



私がいなくなって悲しくなるから引き留めたいんですよね。分かりますその気持ち……。


「それで?自慢しに来ただけ?ならとっととお帰り邪魔」





「辛辣なところも好きです。その厳しい所が更に禿を怖がらせて廊下にずっと立たせているんですね??」


チラッと入口付近を見ると禿がひょっこり顔を出して様子を伺っていた。




「あらそんなこと一言も言ってないけれど」


蕨姫がギロッと禿を睨むと、禿が慌てて入ってきた。




「芸を…磨きたくて…」

「そう、でもアタシそんな暇じゃないの」




勇気を振り絞って言った一言を即答で断られ震えていた。

「す、すみません……」




泣きそうだ。

それほど蕨姫は美しく、怖い存在である。





「蕨姫いいじゃないですか、私久しぶりに蕨姫の琴が聞きたいです」

「お前みたいなこんにゃく野郎に聞かせるためのもんじゃないんだよ」




そう言って立ち上がった蕨姫は部屋を出ていこうとした。




「蕨姫、どこへ行くのですか?」

「フフフ、ちょっとね」


…………


あ、あれは乙女の顔だ。

ときたまにやってくるこの乙女期。
美人な蕨姫が十代のように恋する乙女に変わる。


誰に会ってるんでしょうか。









残った禿と二人で碁を打ちながら、私はもしここで身請けしたなら、と考えた。





あの『見つけた』という伝言がもしも、もしもの確率で天元様ならば………






「……魁……」






ここから離れて暮らす方が捕まらないのかもしれない。





それか、もう堕姫様に喰われた方が捕まらないのかもしれない。





「……花魁……っ!」






そろそろこんな生活ともおさらばする時が来たのかもしれない。








「紅梅花魁っ!」


「えっ、あ、ごめんっ」




禿に呼ばれて気づいた。
私の番だ。

うわ、何この盤面クソじゃんっ。





「…?紅梅花魁が考え事ですか??珍しいですね??」






首を傾げながら言われた。

いえいえ私はいつでも蕨姫のことを考えていますよ。






私はモヤモヤしながらこのクソな盤面を修正していった。

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麗葉 - 堕姫様ってよく考えたら「片付けろ!」とか「花魁の言うことなのだから禿はしっかりこなせ!」ぐらいしか言ってない、、、梅様LOVEです。 (5月17日 0時) (レス) @page42 id: 14fd5e9416 (このIDを非表示/違反報告)
陽毬(プロフ) - 素晴らしい皮肉とツンデレを交えた濃厚なメリバヤンデレ……最高過ぎます。話のテンポも軽快で終わり方も素晴らしいです。書いてくださりありがとうございますm(_ _)m (2023年1月10日 0時) (レス) @page42 id: 22cb640d25 (このIDを非表示/違反報告)
ザイ(プロフ) - はれて堕姫様推しになりました!!最高です!! (2022年12月10日 8時) (レス) @page42 id: 699f0917a9 (このIDを非表示/違反報告)
アキ(プロフ) - 堕姫さま、、、、、😭😭😭😭 (2022年10月20日 6時) (レス) @page42 id: 011262e667 (このIDを非表示/違反報告)
バレーボール - 堕姫様推しとしてとても素晴らしい作品に出会えて光栄でした。ありがとうございました。 (2022年2月21日 20時) (レス) @page42 id: a6efa60e38 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:赤目のなりすまし | 作者ホームページ:http://instagram.com/nuka___1111  
作成日時:2019年9月12日 21時

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