私の客を取らないで【鬼滅の刃】

逃亡弐 ページ3

お世話になるんだからまず挨拶しなきゃ。

名前………知りたいなぁ。




と思ったので聞くことにした。


「お姉さん、貴方の…」

「美人な」




「…美人なお姉さん、お名前はなんと言うのですか」


そこ、いる？？？

まあいっか、ホントのことだし。








「堕姫」





「堕姫……さん、私Aです」




なんというか、こう、なんか、もっといい名前なかったのかなぁ………なんて。



そんなのいっか。







「別に不細工の名前なんてどうでもいいわ」


どうでもよさそうに欠伸をしている。



そんな事言わないで……。

豚小屋なんて呼ばれた日には私本当にそこに住みますから。





ええ、ええ。

本当ですよ、なんと言っても私はくノ一ですからどこでも暮らせますよ。








「食事も済んだことだし。こっち来なさい」




手招きしてすぐ背を向け歩き出した。
それについて行く。







先程まで肉体を包んでいた着物は、何も包まぬまま地面にはらりと落ちた。


いや、堕姫が着物を捨てたと表現する方が合っている。









私はその光景を目に焼き付けた。



私の最後もこうなるのだから。








「堕姫さん、あの」



門をくぐって話しかけた。

すると、







「吉原では蕨姫と呼びなさい」







それが源氏名なのだろうか。


ならば私も決めなければならない。







なんだか違う自分になるみたいでドキドキする。







「ちょっと分かってんの？すぐ返事しろよ」



「あ、はいすみません…」





ギロリと睨まれたのですぐ謝った。



美しいだけでなく強くて怖い。






…私もそうなりたい。




あの人に負けないくらい強く、怖く……。









「あんたはたった今から私の禿。こき使うから覚悟してよね」






眉を寄せながら言う蕨姫。


屋敷に入りながら言われた。





動くのは慣れてます、暗殺だってやります。







「はい、よろしくお願いします」



「明日の朝女将に言うから、あんたそこにいて」







指さされたのは、廊下。


あ、廊下扱い。






いいですよ厠だって覚悟してました。






「はい、ありがとうございます」



「………気持ち悪」





そう言われて戸を閉められた。


最後の言葉それですか。









☆源氏名、ぜひ考えてくださいね_____

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