私の客を取らないで【鬼滅の刃】

逃亡拾肆 ページ15

「はい、これで詰みですね」



ニッコリ微笑んで勝ちを宣言。

こうなることは分かってたんですがね。
ほーっほっほっほ。




「ちょっと！ずるしたでしょ！もう一回っっ！！」

「駄目で〜す」





さてさてさて、何を聞こうかなぁ。









「じゃあ、昨日のあの男は誰だったんですか？」



それが分かればその人を見張れる。
そう思って聞いた。



だが帚木は中々答えない。




「帚木、早く答えてください」

「い、言えない…」



震えた声で帚木が言った。





「何故です？」

「………言えない…」

それも言えないのか。
はあ、これ脅されてるやつだ。






「言えない理由、妹さんですよね？無事なのでしょう？ならば此処で話してください、妹さんも助けますから」


「そんなの、知らない！！！私なんにも知らないわよ！！」






と、しらを切る作戦に移られたのでこっちも話して貰えるよう切り札を出す。









「毒殺事件、一番最初の犠牲者誰でしたっけ」


「は………？」






その言葉で帚木の顔色が変わった。

もう、分かりやすいなぁ。








「確か………瀬川でしたね？」




ゆっくりはっきり、相手を煽るように言った。






「…っお前！！！」



顔を真っ赤にしながら立ち上がる帚木。





「帚木といっちばん仲のいい瀬川を！！！最初の犠牲者にするなんて、なんとサイコパスな考えをお持ちなのでしょうか…！」




手をぺちこしながら笑って言った。


先程まで真っ赤だった顔が青ざめる帚木。








「ち、違うあれは間違えたの、まさか、瀬川が、」





汗がびっしょり。

そんなに焦らなくても間違えたんだろうなあとは思っていましたよ。






「嗚呼、カマをかけただけなんですが、やはり帚木が共犯者なのですね」

「………」




帚木はしまった、と固まっていた。


口にさせればこちらのもの。






「さあ話してもらいますよ。首謀者やこの事件の理由、全部。」


「そんなの、知ってるわけないじゃないっ！！妹を理由に脅されてるだけなの！！！」



大声で言ってるけど、他の人に聞えちゃうよ？








「男の名前くらいは言えますよね」

「……」


それも黙り込まれる。




「あの人すごく足が速いんですけど。どうしてですか？」



そろそろ答えて貰わないと、こっちも時間がない。

あと少しで仕事に行かなければならない。

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