7話目 ページ9
Aside
『……ふぅー…、』
入学式が終わって、同期と一服して、他の先生達の仕事を確認して、自分の仕事を片付けて……
気づけばもう暗くなっている。
周りを見渡しても、残っている教員は居ない。
『……早く帰らないとな、』
そんな事を考えながら、デスクに散らばった資料やプリントをファイルに挟んでいく。
『……はぁ、』
最後の一枚を仕舞った所で、一つ溜息が漏れた。
……疲れてるのか、、最近ずっとこれの繰り返しだ。
『……っ、』
また、頭がズキズキと痛み始める。
「…だぁ〜れだ♪」
そんな頭痛に襲われて直ぐに、背後から伸びてきた手によって視界が暗くなった。
『……同期か、』
「ぴんぽーん♪良く分かったね!」
『当たり前じゃないか…何年一緒に居ると思ってる』
そんな事を言いながら、私は目元を覆っていた手を退ける。
私の視界に入ったダリは、相変わらずのニコニコとした笑顔だった。
『こんな時間までどうしたの?…もうとっくに定時は過ぎているけど』
私がそう言うと同時に、時計の針がカチリと動いた。
「いや〜……Aと呑みに行こうと思って?」
そんな言葉を聴きながら、私は再度窓の外に目を向ける。空は既に真っ暗で街頭が点灯していた。
『……私と呑みに行く為にこんな時間まで待っていたのか…そう思うと断ろうにも断れないね』
私がそう言うと、ダリは嬉しそうに微笑む。
「じゃあ決まりだね♪」
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作成日時:2023年12月13日 7時