１９話目 ページ21
校舎裏の高台にて＿＿
Aが着いた頃には、生徒であるアスモデウス・アリス、サブノック・サブロが地面に倒れ込んでおり、
その中心で、入間が恐らく元凶であろう黒い影を懸命にあやしていた。
『………一体何があったんだ』
Aはそう言いながら、鳴き続ける黒い影の方へ近づいていく。
カルエゴ「入間の指に袋鳥が出した指輪がはまっています、そこから出た影が急に鳴き始め………今に至ります」
カルエゴの言葉を聞くと、Aは顎に手を当て少し考えた後、口を開いた。
『……特待生、一寸その指輪を見せて』
入間「えっ、あ、はい！」
突然話しかけられた事に驚きながら、差し出された手の平に指を置く入間。
『……指から指輪は外れそうにない？』
入間「…え、？はい」
『わかった……それじゃあ、そのまま指輪は外さないでね』
入間「は、はい」
戸惑うようにそう答えると、Aは小さく溜息を吐いた。
『……此れは悪食の指輪って言
サリバン「はいは〜い♪後は僕に任せて！」
背後から聞こえてきた愉快な声に、Aは小さく肩を揺らす。
Aが振り向けく、そこにはサリバンが笑顔で立っていた。
『……理事長』
サリバン「騒音にびっくりして……来ちゃった♪」
周りの空気を一切読まず、淡々と言葉を述べていくサリバン。
Aはそんなサリバンを見上げ、黒い影の方へ視線を戻す。
サリバン「……悪食の指輪…か」
サリバンはそう呟き、小さく口角を上げると、指輪が嵌められている入間の手を両手で包み込むようにして握った。
するとその瞬間、黒い影が一気に縮小して指輪の中に入っていった。
カルエゴや問題児クラスの生徒たちは、呆然とした顔でその光景を眺めている。
『……流石の魔力量ですね』
サリバン「そんな事ないよ♪」
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作成日時：2023年12月13日 7時
