【歌い手】吸血鬼の館で家事、始めました。第2章【吸血鬼】

吸血鬼が53人 ページ5

意識が戻った時、全身にだるさと痛さを感じた。


「んっ...痛い...え？」



目を開けると見慣れた、数日前までいた自分の部屋の天井が見えた。

あれ...？戻って...来た？


ついさっきまであの館にいたのに...。

てか、そらるさん帰る方法はないって言ってたよね？


どうやって...まず、さっきまで私は襲われてたはずなのに...。




「..夢...だったとか...？」


まさかの夢オチ説出て来たぞ...。




ブーブー、ブーブー


隣でスマホの音がした。

そっか、スマホは置いて行ったんだっけ。


マイスマホはベッドの隣の棚の上に置かれていた。



一応確認しよう手を伸ばす。


「いたっ…うう…辛い…」


すぐ近くの物に手を伸ばすだけでも神経と体力を削られた。




あの吸血鬼許さない…。


もし、また逢えたならちゃんとした理由を教えてもらおう。

そんな事を頭の隅に置き、久々のスマホを開いた。



「あ、キヨさん新作の実況出してる‼見なきゃっ‼」



そう。私は実況を見るのが好きだったりする。


ゲームはするのも見るのも楽しい。

で、キヨさんは私の一推しだ。


ウキウキ気分で最近のキヨさんのツイートを見る。


「んふふ、平和だなぁ」


私はあの謎の館にいてもキヨさんはいつも通り面白くて、なんだかすごく安心した。


時々ニヤけながらも画面に映る文字を読んだ。

「え…？」



突然、画面をスクロールする指がある場所でピタリと止まる。






"キヨさんがリツイートしました"

『皆さんこんにちは。まふまふの気分は最悪です。部屋に引きこもってるんでそらるさん助けて』


そ、そらるさん…？まふまふ…？まふ…？


"まふには…気をつけた方がいいかも"



あれれ？

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