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『やっぱり寝ちゃったか〜。』
カブト虫とクワガタの両方の虫籠を首にぶら下げる風磨におんぶされていた風雅は、さっきまではしゃいでいたのに、いつのまにか静かになっていて。
気が付いたら彼の背中で気持ち良さそうな寝息を立てていた。
「ずっと騒いでたからな(笑)」
『休みの日に風磨と遊べて余計にね。
今日の虫取り、一昨日くらいから楽しみにしていたもん。』
「そうなん？なんだよ、風雅全然そんな素振りみせなかったじゃんかよ！」
『誰かさんに似て、素直じゃないのかもね(笑)』
後ろの風雅にそんなことを言う風磨。
本当に、風雅のこと大好きなんだなぁ。
そんなことを思い、風雅の寝顔を見ながら歩いていると、突然ぎゅっと温かいものが私の手を包む。
『風磨…？』
「休みの日だからさ。」
『片手で風雅おんぶするの大変じゃない？』
「風雅の体重くらい、片手で余裕だっての。」
頼もしい返事をしてくれる風磨になんだか照れくさくて目を逸らしてしまう。
でも、込み上げてくる穏やかで温かい気持ちが、下を向いてしまった私にもう一度顔を上げなさいと促す。
『風磨。』
「ん？」
『ありがとうね。』
想いって、言葉にしないと伝わらない。
当たり前なのに、
その当たり前が何よりも難しくて。
それはここ数年で身に染みて感じた。
『私を好きでいてくれて。風雅を愛してくれて。』
あの日から、
喧嘩をした日もあった。
辛い思いをした日もあった。
でも、
変わらず、私たちは一緒にいる。
変わらず、彼を好きだと胸を張って言える。
変わらず、彼と一緒にいることを選んで良かったと思っている。
変わらず、彼は風雅を我が子のように愛してくれている。
「当たり前だろ。」
彼はそんな難しいと思う当たり前を、
いつだって叶えてくれる。
その当たり前が何よりも嬉しい。
「Aも風雅も、今もこれから先も俺の一番大切な存在だから。」
しっかりと私の目を見てそう伝えてくれる風磨。
こうやって、彼と同じ歩幅で歩けること。
こんなにも、幸せなんだ。
.
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運命は、偶然か必然か。
人によって考え方が正反対だ。
風磨と会ったのは偶然、でも、その後は必然だったのかもしれない。
その答えを、わたしはこれから彼と一緒に歩き、共に生きることで探していこうと思う。
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ichigomaple(プロフ) - えっえっえっ、caming soom、、？えっ、、えっ、？笑 (2021年12月15日 1時) (
レス) @page41 id: 2d8d4d0b71 (このIDを非表示/違反報告)
m - コメント失礼致します。こちらの作品は少し前に執筆されているようで今更ながらですが読破させて頂きました。涙が止まりませんでした。はらはらどきどきした思いと愛について深く考える事ができました。これからも舞子様の作品を楽しみにしております。 (2021年9月1日 4時) (レス) id: ea118f12f8 (このIDを非表示/違反報告)
藍色(プロフ) - コメント失礼します。主人公に感情移入してしまい、泣いてしまいました。占いツクールでこんなに泣いたのは舞子さんの小説が初めてです。完結おめでとうございます！素敵な小説に出会えてとても嬉しいです。ありがとうございましたm(_ _)m (2020年5月15日 21時) (レス) id: 82bbddf0f3 (このIDを非表示/違反報告)
maron(プロフ) - 初めまして。凄く感動してドキドキしました。本当に実話であるんじゃないかってくらいお話上手で入り込めます。本当に良かったです。 (2019年10月25日 13時) (レス) id: c5d9cde9db (このIDを非表示/違反報告)
あお(プロフ) - 舞子さん、いつもコメントさせていただいていました！完結おめでとうございます！本当に今まで歓喜あまって泣いてしまうとかあってほんとに切ないとこもあったけど、ほんとにこの作品はダイダイダイ好きです。これからも応援しています(^^)ありがとうございました(^^) (2018年11月25日 3時) (レス) id: a3d65aa3c1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：舞子
| 作成日時：2018年3月16日 21時
