ハコイリ娘と恋をします。

ツンデレ 27 ページ27

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「忘れ物ないかなぁ。」

『とりあえず課題あれば後はなんとかなるだろ。』



大きめなリュックの中身を玄関で確認する聡。

今日は連休の初日。

昨日までの雨は消え去って暑いくらいの日差しが室内にも差していた。




「勝利は帰らなくていいの？」

『兄貴も帰ってきてるし。』

「あ〜…、なるほどね。」




察してくれた聡は「よいしょっ」とリュックを背負う。




「じゃあ、仲良くね！」

『どういうことだよ。』

「だって、Aちゃんも帰らないんでしょ？
寮生ほとんど帰省するのに、帰らないの勝利とAちゃんくらいなんじゃない？
二人とも寮監さんを休ませてあげてよ！笑」

『はいはい、すみませんね。』

「それと…」




ぐっと顔を近づけてくる聡。




『なんだよ、近い。』

「二人っきりだからって、Aちゃんに変なことしちゃダメだよ。」

『は？』

「じゃあ、また月曜日〜！」




それだけ言うと、元気よく手を振りながら寮を後にする聡。

ときどき振り返って手を振ってくるもんだから、

一応、姿が見えなくなるまで見送った。




『あいつも帰らないのか。』



聡が見えなくなってふっと浮かぶあいつの顔。

帰らない理由は…まぁ、なんとなく想像できるけど。




『てか、何もするわけないだろ。』




珍しくしん…と静まり返った寮のロビーで

俺はそう呟きながら寮室に向かった。

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