ハコイリ 08 ページ8
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『これ…！！お返ししようと思って！！』
そう言って私は彼に借りた黒いパーカーの入った袋を差し出す。
「ああ、あのときの。寮でよかったじゃん。」
『いや、寮で全く会わないのでいつ遭遇してもいいように持ち歩いてました！！
安心してください！！洗ってあります！！』
「それはどうも。」
差し出された紙袋を受け取った彼は、
それだけ言うと、また私に背を向ける。
『ちょ、…ちょっと待って！！』
でも私は彼が歩き出す前に、彼の腕を掴んでその動きを止める。
「今度は何…？」
『な、名前…！！』
「は？」
『逃げ切れたら教えてくれる約束でしたよね？』
ぎゅっと掴むと、
少し驚いたような困ったような顔をする彼。
.
.
「佐藤勝利。」
しつこい私に観念したのか、
はぁとため息をついた彼は、一言だけそう呟いた。
『さとう、しょうりくん…？』
「はい。そうです。」
『さとうしょうりくん！！！』
「…っるせ、はい、そうです。」
それでも名前を教えてくれたのが嬉しくて、
私は何度も彼の名前を復唱する。
『私、AAです！！よろしくお願いします！！』
あまりの嬉しさに、そう言って手を差し出すと、怪訝そうな顔をするさとうしょうりくん。
「小学生じゃねぇんだから。」
『え、だめだった…？』
「いや、だめとかじゃなくて…、」
『よろしくね、勝利くん！！』
「いきなり名前呼びかよ…」
ため息をつきながらも、まあいいけど、と言ってくれた勝利くん。
「それより、Aさん。」
『はい！！』
「俺、トイレ行って来てもいいかな？」
『え？！あ、ごめんなさい！！！どうぞ、ごゆっくり！！』
そうか、勝利くん用があるから教室出たのに、
私長い時間呼び止めちゃったよ…
もう一度ごめんなさいと頭を下げた私は、回れ右をして走って教室へと戻った。
.
.
「超ピュアじゃん…」
私の後ろ姿を見て、彼がどんな顔をしてそう呟いていたかなんて知らずに。
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ももみず * - おもしろいです…!!! (2020年1月16日 17時) (
レス) id: 5421e01398 (このIDを非表示/違反報告)
黒髪の白雪姫 - 舞子さん» 更新がんばって下さい！((o(^∇^)o))焦らすゆっくり(〃^ー^〃)自分のペースで(〃^ー^〃) (2018年5月8日 10時) (レス) id: efdbcf38a9 (このIDを非表示/違反報告)
pii(プロフ) - 更新楽しみにしています！ (2018年4月6日 23時) (レス) id: e1c85735ee (このIDを非表示/違反報告)
七星(プロフ) - このお話とても面白くて待ちどうしいので、更新待ってます！ (2018年4月2日 0時) (レス) id: 017c693aab (このIDを非表示/違反報告)
黒髪の白雪姫 - 舞子さん» レナちゃん良いキャラしてますね♪(≧ω≦。)更新がんばって下さい！(〃^ー^〃) (2018年3月4日 17時) (レス) id: efdbcf38a9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：舞子
| 作成日時：2018年1月19日 23時
