ハコイリ 06 ページ6
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「とにかく、これ着てフードかぶって階段降りたら、近くの女子トイレに入って。
そこでこれ脱いだら、大人しく女子寮戻りな。」
クローゼットの中から黒いパーカーを出した彼は私にそれを差し出すと、
念を押すようにそう言った。
『…すみません。』
「いいか、絶対バレるなよ?バレたら俺もお前も速攻退寮だからな。」
『え?!』
それだけは困る…!!
入寮早々退寮なんて、笑い話にもならない!!
私は早速受け取ったパーカーを着る。
『全力で逃げきります!!』
「はい、是非ともそうしてください。」
そう言って彼は、私にフードを深く被らせる。
そのとき、フードの隙間からチラッと見えた彼の瞳は、今まで私が見たことがないくらいキラキラしていて、
思わず見入ってしまった。
「今ならほとんどみんな食堂だから、さっさと行…、」
『…あの!』
「はい?」
『…名前、教えてもらってもいいですか?』
なんでこんなこといきなり聞くんだろう、
って、私が疑問に思う。
もちろん彼もそんな顔をしていて、無言でこっちを見ている。
『おわっ!!』
そうしているうちに、彼は、扉を開けると、扉付近に立っていた私をひょいっと外に出す。
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「逃げ切れたら、考えてやる。」
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そう言うと、バタンっと扉を閉められてしまった。
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初めての自由。
初めての一人暮らし。
初めての世界。
私の初めてだらけの生活に、
どうやら、あなたが加わりそうです。
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ももみず * - おもしろいです…!!! (2020年1月16日 17時) (レス) id: 5421e01398 (このIDを非表示/違反報告)
黒髪の白雪姫 - 舞子さん» 更新がんばって下さい!((o(^∇^)o))焦らすゆっくり(〃^ー^〃)自分のペースで(〃^ー^〃) (2018年5月8日 10時) (レス) id: efdbcf38a9 (このIDを非表示/違反報告)
pii(プロフ) - 更新楽しみにしています! (2018年4月6日 23時) (レス) id: e1c85735ee (このIDを非表示/違反報告)
七星(プロフ) - このお話とても面白くて待ちどうしいので、更新待ってます! (2018年4月2日 0時) (レス) id: 017c693aab (このIDを非表示/違反報告)
黒髪の白雪姫 - 舞子さん» レナちゃん良いキャラしてますね♪(≧ω≦。)更新がんばって下さい!(〃^ー^〃) (2018年3月4日 17時) (レス) id: efdbcf38a9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:舞子 | 作成日時:2018年1月19日 23時