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『七瀬さん!一緒に帰ろう!』




待ちに待った放課後。

ホームルームが終わるのと同時に、
俺は七瀬さんの席に走って向かう。




鞄に教科書を詰めていた七瀬さんは、
俺の方を振り向く。

でも、すぐに気が付いた。

彼女は、俺ってわかっていない。




大丈夫。
いちいちショックを受けたり動揺したりしたらダメだ。

朝、そう誓ったじゃんか。





『七瀬さんの友達の中島健人です!』




俺がそう言うと、ハッとしたような顔をする七瀬さん。

そして、さっきの表情とは変わってふわりと微笑むと、




「うん。帰ろうか。」




そう返してくれた。




『このあと予定ある?もしよかったら…、』

「おーい、中島!お前日直だろー!ちょっと手伝ってくれー!」




俺が話しかけようとしたら、
その言葉を担任が遮る。




『え、あ、えっと…、』

「私このあと予定ないから待ってるよ。」

『あ、そうじゃないけど…、ありがとう。すぐ戻ってくるね!』




立っていたのに椅子に座った彼女は、
そう俺に言ってくれた。


本当はこの後少し一緒にどこか行きたいなぁって思ってたけど、帰ったらもう一回誘ってみよう。




教室から出るときに小さく手を振ってくれた彼女の表情がまた可愛くて嬉しくて、

面倒なことを頼まれるってわかっているのに
身体はなぜか軽かった。

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作者名:舞子 x他2人 | 作成日時:2018年1月1日 18時

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