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*
これでよかったんだ。
もし仲良くなってもいつかは知られてしまうこと。
仲良くなってしまったら余計、辛くなるんだから。
早めに手を打っていてよかった。
そう自分に言い聞かせる。
私のモノトーンの自分の世界には、
どんなにカラフルな色を混ぜても、
結局漆黒の黒がその色を消してしまう。
また黒に戻っただけ。
モノトーンの世界に戻っただけ。
学校が見えて来て、
パチっと自分の中でスイッチを切り替える。
本の続きが気になっていたから、
早く席に座って読もう。
そう思いながら、正門をくぐると、
.
.
「おはよう!」
.
.
正門に立っていた一人の男の子が、私に挨拶をしてきた。
『……』
誰…?
朝、こんなところで私に話しかける人なんていないはずなのに。
不審な目でその人を見てしまう。
でも彼は、そんな私を見て嫌そうな顔一つせず、
まるでキラキラと効果音が出そうな笑顔で口を開いた。
「2年5組、中島健人です!」
予想外の人物。
驚いて思わず表情が崩れる。
「そんな顔もするんだ、七瀬さん。笑
仲良くしてくれるって、約束したよね?
改めて、これからよろしくお願いします!!
.
.
モノトーンの世界に
“ 君 ”が現れた。
どんなカラフルな色より
漆黒の黒よりも強く、深い、
“ 君 ” という色が。
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作者名:舞子 x他2人 | 作成日時:2018年1月1日 18時