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JK「A」
ジョングク君は、そっと私の手を握った。
その暖かさに、また涙が零れた。
JK「Aは汚い人間なんかじゃないよ。自分のことをそう言うのはやめて」
そう言って、彼は涙で濡れた私の目尻を拭ってくれた。
「ジョングク君…」
私は向かい合うように正座をして、彼の手を握り返した。
「あなたが、好きです」
ずっと胸の内でくすぶっていた想いが、言葉となって溢れ出した。
「ずっと…本当は、ずっと前から好きなんだって」
JK「うん」
ジョングク君は、優しい眼差しで私を見つめていた。
「でも、ジョングク君は、雲の上のような人で…私なんかとは不釣り合いじゃないかって、」
そう自分に言い聞かせていたんだ。
どうして、私に声をかけてくれたんだろう。
どうして、ここまで優しくしてくれるんだろう。
彼に対する想いが大きくなるにつれて、「どうして」という気持ちが募っていった。
「それでも、目の前にいるジョングク君のことが、好きで好きでたまらなくなって、しまいました…」
思い返してみれば、すごく大告白をしているではないか。
どうして、こうもスラスラと言えたのだろうか。
私は、自分が茹でたこのように真っ赤になっていないか心配だった。
一気に恥ずかしくなった私は、この場を離れたい気持ちでバッと立ち上がった。
「ごめんっ、ちょっとトイレに…っ」
JK「A」
力強く腕を引かれキツく抱きしめられた。
「…んっ」
彼の名前を呼ぶ間も無く、噛みつくようなキスが降り注いだ。
「まって『やだ』
やだって何なの?!って混乱しながら、私は彼のキスを受け入れた。
今までのキスとは違って、全てを吸い取られそうで体の芯まで甘い痺れがくるような、激しいものだった。
「はぁっ…」
JK「ごめん、大丈夫?」
片腕で支えたジョングク君は、力抜けた私を軽々と
抱え上げた。
そのままソファーに腰掛けると、目尻に軽く口づけした。
JK「涙、止まったね」
「恥ずかしすぎて、隠れたいです…」
JK「それはダメです」
ジョングク君は、私の髪を指先で梳くように撫でながら話しかけた。
JK「Aの告白、とても嬉しかったよ」
私は返事の代わりにゆっくりと頷いた。
JK「俺、本当は少しだけ不安だったんだ。Aが振り向いてくれなかったらどうしようって」
困ったように笑う彼の言葉が意外で、私は思わず見上げた。
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ゆき(プロフ) - (名前)マコさん» 全作読んでいただきありがとうございます!これからもよろしくお願いますm(_ _)m (2019年9月15日 12時) (レス) id: 39e3cdebd3 (このIDを非表示/違反報告)
(名前)マコ(プロフ) - ゆきさんの作品を全部読ませていただきました! とっても優しく幸せな世界に癒されて、私も優しい気持ちになれました^_^ ありがとうございます! これからも楽しみにしています! (2019年8月11日 22時) (レス) id: 1cef87080f (このIDを非表示/違反報告)
ゆき(プロフ) - はるかさん» ありがとうございます!普段はグクちゃんと呼んでアミ活をしてるのですが、ここではかっこいいグクを理想に書いていきます! (2019年7月31日 19時) (レス) id: 4ece362860 (このIDを非表示/違反報告)
ゆき(プロフ) - 猫わかめさん» ありがとうございます!かっこいいジョングクと愛される主人公をこれからも書いていきます。 (2019年7月31日 19時) (レス) id: 4ece362860 (このIDを非表示/違反報告)
はるか - とにかく主人公可愛いしグクもめっちゃカッコいい…次の更新楽しみにしてます。 (2019年7月31日 17時) (レス) id: 2c32449133 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆき | 作成日時:2019年7月29日 3時