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「これ以上あなたに惚れたら大変」
そう言って伏せられた瞳が、俺の心を揺さぶった。
いつも遠慮しがちな彼女は、こういう時までも遠慮してしまう。
恋に溺れるのが怖いのか、それともただ一線を引きたいだけなのか。
どっちにしろ、俺はAを手放さないしもっと彼女を俺で満たしたい。
我ながら独占欲が強いと思いながら、俺の手首を掴んでいたAの手を包み、指を絡ませキスをした。
JK「A、俺は今日オフなんだけど、一旦きさらぎに戻る?」
腕の中にいるAの髪を、指で柔く梳いた。
ダークグレージュの髪はさらりと指から落ち、柔らかな感触に俺はまたキスをしたくなった衝動を抑えた。
「そうね…ジョングクとデートがしたい!お天気も良いし、遊園地とかでもいいわね」
自分が病み上がりだということを忘れて、うきうきしている彼女の額に人差し指をトンと当てた。
JK「A、昨日倒れたばかりなのに随分と元気なんだね。行きたいだろうけど、今日はダメだよ。」
俺が真剣な表情で言うと彼女はすぐに頷いた。
けれど、みるみるうちにションボリしたAに、可愛いなと思い口元が自然と緩んだ。
JK「ふふ、落ち込まないでA。Aの言う通り天気も良いし、とっておきの場所があるからそこに行こう。きっとAも気に入ってくれると思う。」
それを聞いた彼女は顔を上げ、それはもう幸せそうな表情をするものだから、たまらず俺は彼女の額に軽くキスをした。
「もう、ジョングクったら私のこと子供扱いしているでしょ。私の方がお姉さんなんだからね」
頬を少し膨らませたAを抱き寄せた。
JK「Aヌナ、怒らないで?ヌナが可愛いからいけないんだよ」
ヌナと呼ぶことがなんだか気恥ずかしく、逆にヌナと呼ばれたAも「ヌナだなんて」と照れていた。
「じゃあ、早速出かける準備しなくちゃ!とりあえず、私レンに連絡するね」
そう言ってAはレンさんに電話をかけた。
「…うん、そうなの。大丈夫よ。暗くなるまでには帰るね。ん?ジョングク?いるよ。ちょっと待って」
レンさんが俺にかわりたいらしく、Aからスマホを受け取った。
「レン、何か言ってた?」
JK「気をつけて行ってらっしゃいって。やさしいね、レンさん」
Aは「ほんと、お父さんみたい」と微笑んだ。
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ゆき(プロフ) - 共感していただいて嬉しく思います。私もトンイが大好きなので、ついつい話に織り込んでしまいました。コメント頂き、ありがとうございます(^^) (2018年8月6日 7時) (レス) id: 62b0c80745 (このIDを非表示/違反報告)
しずく より(プロフ) - 初コメ失礼します!トンイすっごい好きなんですけど、周りに好きな人がいないのでお話中に出てきてて勝手に喜んでます(((( (2018年8月6日 3時) (レス) id: 8a59c88b0c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆき | 作成日時:2018年6月27日 22時