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あの子は39人目の
話してみたいと思うのと、その子が窓辺から離れていくのは同時だった。
窓から赤が見えなくなっていく。
僕は慌てて木から飛び降りる。
降りた足元の草が、新鮮な春の匂いを伝えてくれた。
急が無いとまた会う事は無いだろう。
ハウスへと走る僕の後ろから、ドンの声が追いかけてきた。
「どーしたんだノーマン！？お前から鬼の前に出てくるなんて！」
「あ、うん！ちょっと！」
頭の上に盛大なハテナマークが浮かんでいるであろうドンに軽く手を振った。
「いない…」
人どころか、赤い物体一つないその部屋で立ち尽くす。
あの子がこちらに背を向けた時点で想定していたし、諦めもしていた。
まさかこの部屋にずっといる訳も無いだろう。
そうなると、一番考えられるのは…
僕は踵をかえす。
背後で僕が動いたせいか、カチャリと音がした気がした＿＿＿＿＿＿＿。
『医務室』
そう書かれてはいないものの、見慣れたそのドアは消毒液の匂いがする気がする。
そのドアノブに手をかけた。
一番考えられるのはAしかいない。
確かに医務室は一階にあるのに、どうしてわざわざ二階のあの部屋まで上がったのか、なんかは謎だけど…
「医務室は立ち入り厳禁よ？ノーマン」
……バレてしまった…
僕は背後を振り返る。
「医務室にある本を読みたくて来たんだけど…ダメかな、ママ？」
Aとは話さないから…
そこまで言ってニッコリ微笑む。
「一人で行っても問題無いかな、と思ったんだけど」
ママは呆れたような溜息をついた。
その口元には隠しきれなかった笑みが浮いている。
「本当は、私を誤魔化そうとしても無駄と言いたいのだけど…仕方ないわね。丁度Aの風邪も治ってきたところだから、特別に入室許可するわ」
でも今回だけだから、少しでもあの子の体調が悪くなったら知らせて、とか少しばかりママの注意はつづいたが、
「まぁ、……ノーマンの事だから言わなくても分かるでしょうけど」
と笑ってくれた。
ママの視線を感じながら医務室に入る。
入ってからチラリとママを仰ぐと、少々心配そうながらその場を去っていく。
取り敢えず、本棚から適当に本をとり、そっとAのいるベッドのカーテンを捲る。
誰かが入って来たのに反応が無い時点で諦めていたが…
あの子はAでは無かった。
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三日月雫(プロフ) - 夢主のイメ画募集中です (2020年9月24日 17時) (
レス) id: ebe87210a1 (このIDを非表示/違反報告)
三日月雫(プロフ) - ありがとうございます！今後も努力します。 (2020年8月26日 5時) (レス) id: 25e610a467 (このIDを非表示/違反報告)
、 - 回りました!クオリティ高いですね。面白かったです!更新頑張って下さい！! (2020年8月22日 14時) (レス) id: efd86c7df1 (このIDを非表示/違反報告)
三日月雫(プロフ) - 大丈夫ですよ(((´∀`*))ヶﾗヶﾗ）４乗 (2020年8月14日 13時) (レス) id: e996a1bad2 (このIDを非表示/違反報告)
暁鬼灯(プロフ) - リア友の方ですが、お気に入りに登録していないという大変なことをしてしまっていました((´∀｀))ヶラx2 (2020年8月14日 13時) (レス) id: ecb9c0b6a8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：猫毒 | 作成日時：2020年8月9日 14時
