夜の花が咲く前に。１ 〜Artificial flower〜 【約束のネバーランド】

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[ラニオン・トーマside]


「大丈夫だよ、策がある」

そういってニヤリと微笑んだAほど、俺達は怖いものを見たことがない。

((フルスコア怖えええええええ！！！))

「このルールだと経験値がものをいう。でも私は雪合戦をやったことが無い。」

((マジかよ…))

「それを逆手に捉える事も出来なくはない。それだけ固定観念…雪玉をぶつけ合う遊びに縛られない。これは敵の予想を上回る…」

((なるほど…！フルスコア怖いわ…！))

「ここまでは敵も考えるよ。逃げ回る策はイマイチ」

((ずこっ))

「それに私はエマほど体力はない。だからさらに裏をかく」

「「裏…？」」

「そう。雪合戦」

そこでAは雪玉を作って見せた。

「私は敵の顔面すれすれに雪玉を投げる。ラニオンとトーマは大きめの雪玉を沢山作って待機してほしいんだ。ちなみに私の命中率は…ラニオン」

「はいっ」

「あそこに立って右手を挙げて」

「はいっ」

((何するんだよ、こっっわ！！！))

Aは雪玉を振りかぶって…投げた！！

見事にラニオンの右手で雪が崩れる。

((フルスコア…こっっわ！！！！！！！！！！！！！))

Aが振り返ってにっと微笑んだ。

「これで相手を翻弄させる。元々疲れてるだろうからきっと勝てる。私達は時間切れになるまでの暇つぶしをすればいい」

「「でも見つかったら…」」

「見つからないようにすればいい。まず、作戦変更やお喋りは全て指文字。手話ぐらいはできるよね？」

前にレイに教えてもらっていた僕らはこっくり頷く。

「もしも見つかった場合…私が何とかする。二人には…罠を発動してもらう」

「「罠…？」」

「今から言う事をよく聞いて」

Aの真剣な声に僕らは思わず頷いた。

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