君にはまだ、届かない (ページ9)

今日:3 hit、昨日:2 hit、合計:1,426 hit

はち. ページ9

あ｢よーし、ここだよ｣
と言いながら扉を開けてどうぞと言ってくれる。

『あらきさんかっこよ…』

あ｢どこがよ‍‍ｗほら、浴衣選びな？｣
とクスッと笑うあらきさんにふとかわいいなと思ってしまった。

『浴衣、多すぎない…？』
ありえないほどの浴衣がずらりと並んでいて、もはやコストコ。言い過ぎだろって？うん。それは私も思った。
確かなるせさんがピンクでめいちゃんさんがオレンジで目の前にいるあらきさんは赤だよね……暖色しか居ないな笑
んーと、残る色は……青！！青にしよう！！寒色！！色被ったらなんかあれだし！うん！

『……これにしようかな』
と白い花柄のついた青色の浴衣を手に取った。

あ｢お、いいじゃん似合いそう。試着してきたら？｣

『そうしようかな、』

あ「OK、じゃあここで待ってる」

『うん、待ってて』
あんまり時間ないと思うし試着と言うよりかは着替えの方があってる気がしたけど何も言わないようにした。
試着室で店員さんが気付けてくれて、ついでに髪の毛も可愛くしてもらう事になった

店員さん「...彼氏さんですか？」
と、突拍子のないことを着付け中に聞いてきた店員さん

『なっ...！違います！！』
こういう事に慣れてなくて顔が熱くなる

店員さん「ふふ...よし、こっち向いて貰えますか？」
と、悪戯っぽく笑う店員さんに言われるがままに後ろをむいた

店員さん「わっ...お似合いです！！儚いというか...綺麗というか...素敵...」

『そう...ですかね？』
「そうです！！」と食い気味に言ってきた店員さんの目は輝いているように見えた
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

店員さん「よし、完成...！我ながら上出来な気がする...」
と自信気に言う店員さんに無意識に同情してしまう

『うん...店員さん気付けるの上手いね』

店員さん「そりゃあ店員ですから！！まぁ...お客さんがきれいだからってのもあるけどね」

『も〜、適当言わないでくださいよ〜』
と赤くなる私に軽く声を立てて笑い、店員さんさんは試着室から私を連れ出した

┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
『どう...かな、』

あ「え...」
...............沈黙。あれ、予想外なんだけど？！あらきさんならお世辞でも褒めてくれると思ったのに

『へ、変...？』

あ「あ...いやっ、あの...すっごく...綺麗だなと思いまして｣
と顔を隠しながら言う彼の耳は赤くなっていた

『じゃあ、みんなのとこ戻ろっか』
と、向こうで店員さんがニヤけがらこっちを見ているのを無視して彼の手を引いた。