【HQ】あなたに何が分かるんですか。 (ページ3)

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→２話← ページ3

私には、双子の妹がいる。

私とは違って、明るく、人に愛されるタイプ。

しかも可愛くて、誰からも愛されて。

私は、そんな妹が誇りでもあり、嫌いでもあった。

妹の存在が、私という存在を惨めにしているから。

いくら私が頑張っても、杏奈はそんな私の努力を軽々と越えていってしまう。

おかげで、私は杏奈に勉強や運動で勝てたことがない。

どうして、双子なのにこんなに違うんだろう？

母も父も、杏奈杏奈って。

友達も、先生も、誰も私を見てくれなかった。

優秀な杏奈ばっかり。

私はそれが悲しくて、つらくて仕方なかった。

でも、そんな私にも幸せだと思える場所があった。

それは、部活だった。

私は男子バレー部のマネをしていたけど、男バレの皆は杏奈を知っていたけど、私と比べたりはしないし、寧ろ、私を必要としてくれた。

嬉しくて、ずっとここにいたいとも思った。

でも、部活以外は何も変わらなかった。

皆、杏奈を褒めて、私を否定した。

それが嫌で嫌で、仕方なかったんだ。

でも、耐えて耐えて、ついに中学校を卒業した。

高校は、東京の音駒高校にした。

幸い、東京に親戚がいるため、そこに居候させてもらう。

もう杏奈と比べられるのは嫌だし、自由になりたかったから。

杏奈という存在を知らない世界に、行きたかったんだ。

音駒に行ったら、皆私を必要としてくれた。

学校の友達も、私を認めてくれた。

全部全部、杏奈がいないから。

杏奈がいないことで、こんなにも変わるのかと驚いた。

親戚の人も優しいし、毎日が上手くいっていた。

毎日が幸せで、上手くいっていた。

なのに

｢あれっ！？！A！！！？｣

『あっ……杏、奈…………？』

どうしてまた私の前に現れたの？

どうしてまたその笑顔を私に見せるの？

どうしてまた、私の居場所を奪っていくの？

どうして

どうして私の邪魔ばかりするの？

杏奈には、ちゃんと居場所があるでしょう？

もう、１人は嫌だ_____________。