♯144 ―――― ページ6
「俺たちはいわゆる、社会の異端者。
農園･･･『彼ら』の、思想・利益・権威・全て、俺には一切知ったこっちゃないのさ。どうだっていいんだ」
社会の異端者････････････････････････
「俺が人間を助けたのは、単純な興味。こうして久々に人間と話がしてみたかったからだよ」
ソンジュは私の目をじっと見る。
「珍しい･･･。今日日、生きた人間なんて、農園の内側でしかお目にかかれないからな」
「！」
『農園の内側でしか』････････････････････････
「どうした？それを聞きに来たんだろう」
ソンジュにはとっくのとうに、図星をあてらていたようだ。
私は手渡される飲み物の入ったコップを受け取る。
「････････教えて･･･もらえる？」
.
「30年前、人間に何があったの？世界は今、どうなっているの？」
.
.
.
.
.
.
「何も」
「え？」
「何も起きていない」
ソンジュは無機質な声で言った。
「30年。という数字がどこから出てきたかは知らんが、世界はもう
ずっと昔からこのままだ」
「？･･･どいうこと？」
ソンジュは差し出すように手を出した。
「一つ、昔話をしよう。世界が今よりもずっと広かった頃の話だ」
.
.
.
.
.
.
.
かつて世界は広かった。
当時はまだ農園も存在しない。
広大な世界で数多いる人間を、”鬼“は狩って食らい、暮らしていた。
食うもの―――――鬼
と
食われるもの―――――人間
.
”鬼“を畏れ伏する人間もいれば、憎み逆に狩り殺す人間もいた。
彼らはやがて、食われるよりも多くの”鬼“を殺し
”鬼“もまた、人間を憎むようになった。
終わらない殺し合い、
果てのない恐怖
.
.
.
互いに嫌気が差した頃、人間側から一つの提案が持ち出された。
ソンジュはそこまで言った。
けれど、次の言葉を声にしたのは――――――――――――――――
「取り決めをかわそう。
『人間は”鬼“を狩らない。だから”鬼“も人間を狩らない』
『お互い世界を棲み分けよう』」
そう言ったのは、慕う姉の声。
「すべての始まりはこの“約束"だ」
そう言ったのは････････････････････････
「レイ････エレン････？」
続く (更新停止中)
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舞花(プロフ) - LEさん» 返信遅れましてごめんなさい！（返信しなくちゃいけないのかはわからないけど）一気読みしてもらって面白いと言って下さるのは本当に嬉しいです(≧▽≦)こちらの方で更新ができていませんが、どうか待っていてください！頑張ります‼ (2021年12月26日 23時) (
レス) id: 062ae94786 (このIDを非表示/違反報告)
LE(プロフ) - 一気読みしました！面白いです！これからも頑張ってください！ (2021年11月21日 15時) (レス) id: c84e9db678 (このIDを非表示/違反報告)
舞花(プロフ) - アリスさん» わぁ、なんて嬉しいお言葉！ありがとうございます❀コツコツ頑張っていきます！ (2021年10月3日 10時) (レス) id: 062ae94786 (このIDを非表示/違反報告)
アリス(プロフ) - 面白すぎて一気読みしてしまいました！！何故伸びない！！更新頑張って下さい！！ (2021年10月2日 19時) (レス) @page6 id: 1fd56812c7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：舞花/maika | 作成日時：2021年9月8日 16時
