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「せっかく送ってやるって言ってんのに…」
別に送って欲しくない訳じゃない。むしろ送って欲しい。でも先生だって仕事はあるし。
『いいですよ、ここで。また明日』
「……ねぇA、」
カラ、と開けかけたドアを先生が後ろから閉める。
前は閉められたドア。後ろは先生で身動きが取れなくなってしまった。
『な、なんですか先生…私、帰りたいんですけど…』
「…」
『…先生?』
すっかり黙ってしまった先生の方を見ようとくるりと体を後ろに向ける。
「…べつに、なんでもないけど」
『…へ?』
「何マヌケな声出してんだよ。ほら帰るんでしょ」
『ちょ、先生!?』
スタスタと廊下を歩いて行ってしまった先生を追いかけた。
「はい廊下は走りませーん」
『だって先生が置いてくから!』
「そんなの知りませーん」
『…先生のばか』
「バカはどっちだよ」
どうでもいい言い合いをしていると気づいたら昇降口に着いていた。
「じゃ、気をつけてな」
『…ありがとうございました』
ローファーに履き替えながら帰りにコンビニでも寄って帰ろうか、と考えていた。
「A」
ふいに後ろから名前を呼ばれ振り返る
「…卒業するまで、待ってて」
『………え?』
「じゃ、ちゃんと復習しとけよ」
『……え、ちょ、先生!!!』
「あーうるさい。ほら帰った帰ったぁ」
…私の恋はまだまだ終わりそうにないです。
fin.
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shiori(プロフ) - リクエストでurtさんが女の子の日を看病するお話読みたいです!お願いします! (2021年1月1日 17時) (レス) id: a2f685055b (このIDを非表示/違反報告)
まみ(プロフ) - 舞花さん» ありがとうございます(;;) (2020年8月6日 23時) (レス) id: 30076484ac (このIDを非表示/違反報告)
izmin0215(プロフ) - 舞花さん» いえいえ!ありがとうございます! (2020年8月5日 7時) (レス) id: e7b9ca147f (このIDを非表示/違反報告)
舞花(プロフ) - Naoさん» 喜んで頂けたようでなによりです(;;)またいつでもリクエストお待ちしております、ありがとうございました! (2020年8月5日 1時) (レス) id: b66637afee (このIDを非表示/違反報告)
舞花(プロフ) - まみさん» リクエスト承りました◎書いたことの無い系統なのでご希望に沿ったものが作成できるか不安なのですが頑張りますね!励みになりますありがとうございます(;;) (2020年8月5日 1時) (レス) id: b66637afee (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:舞花 | 作成日時:2020年7月26日 20時