恋日和。 (ページ13)

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#013 ページ13

永「A。今日用事ある？」

「え？無いけど。」

永「じゃあ、一緒に帰ろ。」

「は？なんで？」

永瀬と帰ることが嫌な訳じゃないけど、それは別の意味として捉えてしまいそうで。

いくら友だち同士だからといって男女が登下校を共にするなんて少なくとも私の中の文化としては根づいていなく。

そういうことをする人達って心のどこかで友だち以外の目で見ているんだと思っているから。

永「なに、嫌なん？ならええけど。」

「嫌じゃないけど。永瀬は私と帰ってるところ他の人に見られて平気なの？」

永「浮気している訳でも無いんやから何も思わない。ていうかまず他のヤツらにどう思われたっていい。」

永瀬があまりに真剣な口調で言うから、つい数秒前まで様々なことを考えていた自分が妙に恥ずかしくなった。

.

永「LINE。」

「ん？」

学校の校門を出て少しした時、永瀬が突然そんなことを言い出した。

永「…そういえば、まだ交換してなかったやろ。」

「ふっ…なに、私の連絡先がそんなに欲しいの？」

ちょっとふざけて言ってみたのに永瀬は、

永「悪いか。」

素直に認めちゃうものだから、次に返す言葉が無くなる。

「…じゃあ、これ。」

永「ん。」

短い言葉を交わして、連絡先の交換をした。