取り戻せ、青い春。 (ページ8)

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りょうside

試合の後、東京に泊まっても良かったんだけど次の日は日曜日で、てつやの家で撮影だった。

新幹線に揺られること3時間。そこから約1時間。

家に着いてスマホを見るも連絡はない。

まあ、気長に待ってみるか。

と思ってスマホをソファに置こうとした瞬間

画面がひかり、本体が振動した。

知らない番号、だけどAちゃんだと思った。

そうであって欲しいと思っていた。

り「もしもし。」

『あ、こんばんは。今大丈夫？』

今日、隣で沢山聞いたAちゃんの声だった。

り「電話かけてくれてありがとう。大丈夫だよ。」

『今日はたくさんありがとうございました。りょうさんのおかげでとっても楽しかった。』

り「こちらこそありがとうございました。」

その後俺たちは1時間近くも電話してしまった。

どこに住んでいるのか、どんなことが好きなのか、Aちゃんのアルバイトのことや、学校のこと、友達の話、家族の話

たくさん教えてもらった。

でもまだひとつ、聞けてないことがあった。

り「あとさ、ひとつ聞きたいんだけど、」

『うん、なに？』

り「彼氏とか、好きな人、いるの？」

『今は、いないかな。』

り「そ、うなんだ。」

『自分から聞いておいてその反応はないでしょ！笑りょうさんは？』

り「俺も、いないよ。」

ほっとしてしまった。

まだチャンスはあるって。

俺が隣にいることが出来るかもしれないって。

り「明日はお休み？」

『うん。日曜日だからお休み。りょうさんは？お仕事？』

り「うん。明日も仕事。」

『そうなんだ。頑張ってね？』

り「はは、ありがとう笑」

1時間近くも続いた電話は“ またね ”という彼女の言葉によって終わった。

一瞬だったな。

少ししたら彼女からSMSが届いた。

To.りょう
From.A
長い間お電話ありがとうございました！LINE ID送るからよかったら追加して！
〜xxxx〜

LINEを開いてID検索をする。

Aと書かれたプロフィールが現れ、追加をした。