北風 ページ5
練習後の部室はいつもは騒がしけれど、今日は1人残っていた自分だけ。とても静かだった。
あれからAからの連絡はない。勿論俺からもしていない。否、出来なかった。
正直言うと怖かった。また誤解させて傷付けて自分が傷付くのが。
深い溜め息を吐くと、鞄を持って扉に手を掛けた。
───ﾌﾞｰ ﾌﾞｰ
携帯から着信を知らせるバイブ音。見てみると知らない番号からだった。
「…はい」
『もしもし柳田君？Aの友達の
「ああ……。何で俺の番号…？」
『それはまたあとで。とりあえず落ち着いて聞いてほしい』
次の言葉に、俺は全身の力が抜けたのが分かった。
『Aが事故にあった。今、病院にいる』
『…柳田君？』
「…どこの病院？何号室？」
彼女に教えてもらった病院を検索して、鞄を持ち直した俺は、駅へと走って行った。
ここから2駅の大きな病院にAは運ばれたらしい。
来た電車に飛び乗って、息を整えた。
周りの乗客からの視線なんて今は気にならなかった。
「……っ…A」
冷たくなっていく、背中と指先。
必死に自分の指に力を込めた。
…大丈夫だ。Aは死んでない。よくある記憶喪失になんかもならない。
自分に言い聞かせた。
神様なんて居るかなんて俺には分からないけれど、どうか今だけは彼女を守ってほしい。
駅に降り立つと、目の前にそびえ立つ病院に急ぎ足で入っていく。
エレベーターに乗り込んで、彼女の病室がある階のボタンを押した。
ドアが開くと、上村さんが立っていた。
ずっとAに付いていてくれたようで、部活のジャージを着たままだった。
彼女の瞼は赤く腫れていた。
「柳田君」
「はぁ……Aは？」
「手術終わって病室に居る…」
彼女を押し退けるように、病室へ歩く。
個室の扉を開けると、見たことの無いほど痛々しい姿のAがそこには居た。
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華弥。(プロフ) - みかさん» ありがとうございます(*^^*)嬉しいです！これからもちまちま更新ですが、よろしくお願い致します。 (2019年12月6日 23時) (
レス) id: d5a525a881 (このIDを非表示/違反報告)
みか - めっちゃ好きになりました。 (2019年12月6日 8時) (レス) id: a8aa169b50 (このIDを非表示/違反報告)
華弥。(プロフ) - もちもちのき。さん» コメントありがとうございます(^^)嬉しいですー！まだまだ頑張るのでよろしくお願い致します！ (2019年11月12日 14時) (レス) id: d5a525a881 (このIDを非表示/違反報告)
華弥。(プロフ) - リスと林檎さん» コメントありがとうございます(^^)そう言って頂いて嬉しいです！まだまだ頑張るのでよろしくお願い致します(^^)拝見させて頂きますね(^^) (2019年11月12日 14時) (レス) id: d5a525a881 (このIDを非表示/違反報告)
もちもちのき。(プロフ) - 続編おめでとうございます！いつも楽しく読ませてもらってます〜 (2019年11月12日 4時) (レス) id: fc71b503ba (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：華弥。 | 作成日時：2019年11月11日 21時
