�掘〔�田Side ページ10
待ち合わせの10分前の12時5分、辺りはむわんと熱気に包まれている。
湿度と暑さのせいか、ほとんど誰も歩いていない。
それに年々、暑くなってる気がする。
首筋から汗がひと粒つーっと流れた。
「柳田！」
声がした方を見ると、髪を下ろしたAがいた。
練習後は伸びた髪を縛ったままなので、下ろした姿を見るのは初めてだ。
うーん、……なんかいい。
誕生日おめでとうと言うと、そっちもおめでとうと返してくれて
こんなに幸せな誕生日は初めてかもしれないな、なんて割と本気で思った。
歩くこと5分、新築の3階建てのマンションが現れた。
どうやらここらしい。
階段を登って2階の端部屋に着く。
紺色の扉を引くと、整頓された玄関が。
「お邪魔しまーす…」
「どーぞ」
俺よりも小さなサンダルの横にスニーカーを揃える。
Aの足は身長の割に小さ目だった。
「誕生日を家族以外の人と祝うのとか初めてだから、何用意すればいいのか分からなくて…
だから母さんが持ってきてくれた物とケーキは私が作ったんだ」
食卓には彼女の母親が持ってきてくれたお寿司、唐揚げなどの揚げ物類が並んでいた。
「母さんね、友達と合同誕生日会するって言ったらすっごい張り切ってくれたの。
好きなだけ食べていってねだって」
「…ありがとう」
まだ見たことない彼女の母親に感謝した。
多分、男と祝うなんて思っても無いんだろうけど……すみません…。
まだ未成年の俺達のグラスにはオレンジジュースが注がれる。
このオレンジジュースは彼女の妹からの差し入れらしい。
何から何まで用意してもらって悪いなぁ……。
「では………こういう時って何て言うの？」
「んー…分かんね」
「何それ…もう」
呆れた様に笑った。
釣られて俺も笑う。
「じゃあお互いおめでとう」
「おめでとう」
Aの台詞でグラスをカチンっと鳴らした。
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華弥。(プロフ) - 櫻井かや丸さん» 返信が遅くなり、申し訳ありません。先程更新しましたので、よろしければご覧下さい(^^) (2019年10月25日 20時) (
レス) id: d5a525a881 (このIDを非表示/違反報告)
櫻井かや丸(プロフ) - 初めまして、更新はされないんですか？ (2018年8月9日 23時) (レス) id: 6620ed4e4b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：華弥。 | 作成日時：2017年9月23日 15時
