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「付けてもいい？」
「ん、付けてみて」
箱から取り出すとそれを首に回す。中々金具が止められない俺を見て、Aがそっと手を貸してくれた。
「…似合ってるよ」
ふわりと笑う彼女を見て、何か抱き締めたくなった。
その華奢な腕を引っ張って胸の中に閉じ込める。
隙間も無いくらいにギュッと抱き締めると、彼女を俺の背中に腕を回した。
「…ありがと。……俺からもあるんだけど」
腕を解いて、鞄の中からからプレゼントを取り出す。
『開けてもいい？』と目配せをしてきたから『いいよ』と頷いた。
「腕時計だ…！」
彼女に贈ったのはシンプルな腕時計。
羅針盤には控え目なハートが装飾されている物だった。
「ありがとうマサ」
大事そうに腕時計を抱える。
…ああ好きだな。
「A…」
彼女の頬に手を伸ばす。
一瞬驚いた顔をしたけれど、この雰囲気で何となく察したのだろう。
いつもよりも顔が赤くなる。
『触れてみたい』
素直にそう思った。
「…キスしていい？」
何て聞いてみたけれど、返事を待つ前に彼女の唇に近付いた。
「っ…」
ギュッと目を瞑って構える彼女。心做しか震えている。
ゆっくりと顔を彼女に寄せた。
──────ちゅっ
「…あれ？」
彼女がそう零すのは無理もない。
俺がキスしたのは彼女の唇の横だったから。
「……何か手出せない」
「え……ごめんね」
「違う違う……。大事過ぎて手出せねぇの」
格好悪いな俺。
こんなに純粋で真っ白なんだ。
Aが大好きだから。だから大事にしたい。
「…大事にしてくれてありがとう」
結局その日は何もせずに、ケーキを食べて一緒に朝まで同じ布団で過ごした。
横で眠る彼女の寝顔だけで幸せを感じていた。
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華弥。(プロフ) - 櫻井かや丸さん» 返信が遅くなり、申し訳ありません。先程更新しましたので、よろしければご覧下さい(^^) (2019年10月25日 20時) (
レス) id: d5a525a881 (このIDを非表示/違反報告)
櫻井かや丸(プロフ) - 初めまして、更新はされないんですか？ (2018年8月9日 23時) (レス) id: 6620ed4e4b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：華弥。 | 作成日時：2017年9月23日 15時
