�后〔�田Side ページ26
「本当にありがと」
素直に伝えられた感謝のことば。
Aの言葉は、どこまでも真っ直ぐだ。
スッと胸に入ってくる。
…だかららしくもなく照れてしまう。
こんなに気持ちのこもったストレートな『ありがとう』は初めてだった。
「…全然、気にすんな」
こんな無愛想な返事しか出来ないけれど、Aは気にせずに、穏やかに笑う。
✼••┈┈┈┈┈┈┈••✼
「腫れも引いたな」
「うん、マシになった」
「よしっ。…じゃあ俺は帰るな」
Aも落ち着いたし。
確か明日には実家に帰るらしいし。
「ごめんね、色々と」
「気にすんなって。コーヒーごちそうさま」
「あ、コップはそのままで。タオルも洗って返すから」
「…分かった、ありがと」
『できれば学ランも洗って返したい位なんだけど…』
と申し訳無さそうに笑うから、一発デコピンを放った。
『いたっ』と言っておでこを押さえる。
その顔はキョトンとしていて…ちょっと面白い。
「明日からは練習無いし。この休み中に洗うから」
「あっ、そっか…」
「大丈夫。…じゃあまた年明けたらな」
鞄を持って玄関へ歩く。
その後をちょこちょこと着いてきた。
…脚長いのに、小股だなぁ。
「気を付けてね」
「こんなデカい男、誰も襲わねーよ」
「ふふっ、それもそっか。
ありがと。…良いお年を」
「そっちこそ、良いお年を」
ドアを開けると外は雪がチラついていた。
積もらないだろうけど、東京に長年住む俺にとって雪は少しテンションが上がる。
もう雪だるまとかは作らないけど。
今年は色んなことがあった。
高校を卒業して入学した慶應には、王子様こと(人1)Aが居て。
自分からは絶対と言っていいほど話し掛けない俺から話し掛けたら、中々の人見知りで。
けど、話すと面白くて。
ほぼ、一目惚れだったけどこの数カ月でAを知ってもっと好きになった。
…来年も一緒にいられますように。
祈るように見上げた空は澄んでいた。
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華弥。(プロフ) - 櫻井かや丸さん» 返信が遅くなり、申し訳ありません。先程更新しましたので、よろしければご覧下さい(^^) (2019年10月25日 20時) (
レス) id: d5a525a881 (このIDを非表示/違反報告)
櫻井かや丸(プロフ) - 初めまして、更新はされないんですか？ (2018年8月9日 23時) (レス) id: 6620ed4e4b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：華弥。 | 作成日時：2017年9月23日 15時
