�� ページ25
『魔が差した』なん言って誤魔化せないかな。
こうして2回も泣いたこと。
柳田は優し過ぎる。
こうして学ランが私の涙で汚れちゃうことも気にせずに、抱き締めてくれる。
…勘違いしていいですか？
「……ごめん、もう…大丈夫」
「そっか。……目真っ赤だな」
そりゃこんだけ泣いたら、目も赤くなるよね。
……私、ブスになってない？
ぱっと目を逸らす。
散々泣いといてあれだけど、瞼か腫れた顔なんて見せられない。
「…か、顔洗ってくる」
「分かった、待ってる」
洗面所に行って鏡を見るとひっどい顔だった。
二重がおかしい。
なるべく冷たい水で引き締めるけど、スッキリしただけであんまり意味が無かった。
諦めて戻ると、こちらを見つめる柳田。
思わずぎょっとなる。
「…びっくりした」
「悪い。…目痛そうだな」
…見ないで下さい。なるべく。
「いや…大丈夫。痛くはない」
「そう？保冷剤とかある？」
「うん…冷凍庫に」
すると柳田は立ち上がって、冷蔵庫の方へ。
中から保冷剤を取り出す。
「勝手に開けてごめん。とりあえず、冷やそう」
「あ…うん」
ソファをぽんぽんと叩くから、大人しくそこに座った。
そのままじゃ冷た過ぎる保冷剤を自分のタオルに包んで私の瞼に当てる。
「…柳田、お兄ちゃんみたい」
「A、俺お兄ちゃんだよ」
「そうなの？…っぽいね」
世話好きな所あるし、どことなく『お兄ちゃん』って感じはする。
…お兄ちゃんってこんな感じなのかな。
長女として生まれた私には、体験できないことだと思ってた。
こうやって誰かに世話を焼かれること。
少し恥ずかしいけど、何だか嬉しい。
「柳田…」
「ん？」
「本当にありがと」
保冷剤で彼の顔は見えないけど、ちゃんと伝える。
伝わったらいいな。
彼は今、どんな顔をしているんだろう。
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華弥。(プロフ) - 櫻井かや丸さん» 返信が遅くなり、申し訳ありません。先程更新しましたので、よろしければご覧下さい(^^) (2019年10月25日 20時) (
レス) id: d5a525a881 (このIDを非表示/違反報告)
櫻井かや丸(プロフ) - 初めまして、更新はされないんですか？ (2018年8月9日 23時) (レス) id: 6620ed4e4b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：華弥。 | 作成日時：2017年9月23日 15時
