�掘〔�田Side ページ24
手を引かれながら、電車に乗ってAの最寄り駅に付く。
夏に待ち合わせたバス停を過ぎて、歩く。
いつもより急ぎ足で地面を踏みしめた。
その間、手は離さなかった。
着いたのはAの家。
「…ちょっと聞いてほしい」
真剣な顔付きで俺の瞳を見つめる。
黙って頷くと階段を上がって、部屋に招かれた。
「…暖房着けるね。鞄は好きな所に置いて？」
「分かった」
扉から近い所に鞄を置いて、学ランの首元を緩める。
少し開放された気分だ。
立ちっぱなしの俺にソファへ座る様に勧めると、目の前にカフェオレが入ったマグカップが置かれる。
冷えた体にじんわり染みていった。
「……話ってなに？」
さっきから黙っているAに問いかける。
なるべく優しい声で、焦らさない様に。
その当の本人はマグカップを持ったまま、俯いている。
表情は分からない。
「A……？」
マグカップを置いて、俺の瞳を真っ直ぐ見た。
「……押し潰されそう」
硝子玉の様な瞳から涙が1つ落ちる。
……Aの涙を見るのは2回目だ。
「………」
「……どうすればいいの」
最近、Aは忙しくなった。
雑誌やテレビの取材、試合、日本一多忙なバレーボール選手だと思う。
試合では堂々としている彼女も取材では一変、普通の女子大生だ。
緊張もする。
色んなメディアが彼女に注目し始めていた。
…それがプレッシャーだったんだ。
Aが何を抱えているのかも俺には分からない。
全てを取り除くことは出来ないかもしれない。
…けれど、『大丈夫』って気持ちで抱き締めた。
俺は居るよ。ここに居るから。
「……柳田ぁ」
わーんと子供みたいに泣き出す。
学ランの袖で溢れる涙を拭ってやる。
「…袖、ごめん……」
「…いいから。気が済むまで泣いて」
また泣き出してしまったA。
────────こうして泣き顔を見せるってことは、気を許していることだよな。
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華弥。(プロフ) - 櫻井かや丸さん» 返信が遅くなり、申し訳ありません。先程更新しましたので、よろしければご覧下さい(^^) (2019年10月25日 20時) (
レス) id: d5a525a881 (このIDを非表示/違反報告)
櫻井かや丸(プロフ) - 初めまして、更新はされないんですか？ (2018年8月9日 23時) (レス) id: 6620ed4e4b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：華弥。 | 作成日時：2017年9月23日 15時
