�� ページ16
「薬飲んだ？」
「まだ」
「じゃあ飲まないとな」
ベットから立ち上がる柳田。
思わず、ジャージの裾を掴む。
「あっ、……えっと」
「…薬取るだけだから。どこ？」
優しくて、低い声が胸に響いた。
「そこの棚の2番目…」
棚から市販の風邪薬を取って、私に差し出す。
ベット脇に置いてあった水と一緒に呑み込んだ。
「明日も休む？」
「授業は休む。けど練習は行く」
「無理すんなよ」
ふわりと笑う。
柳田は最近、よく笑うようになった。
高校に見た時はそこまで表情豊かって訳じゃ無くてどちらかと言えば無愛想に見られがち。
だけど、話したら面白くて楽しい。
私の中では"特別な男の子"。
たまに錯覚しそうになる。
私とおんなじ気持ちでいてくれてるのかな。
こうやって、汗も拭かずにとんできてくれたら、勘違いしてしまう。
「……勘違いしていい？」
「…何が？」
首を傾げる貴方に『何でもない』と言った。
……好き。
「…今日、泊まっていかない？」
勇気を出した提案。
「…泊めていいの？」
「うん、……何もしないでしょ？」
「いや…出来るか病人に」
私の挑発に照れながら悔しそうに前髪を掴む。
ちょっと勝った気分で嬉しい。
「………じゃあ泊めてもらう」
「授業は？」
「2限から」
「じゃあ、余裕だ」
「洗濯機だけかりていい？ユニフォームとか服洗いたい」
「いいよ、乾燥機能使って」
「ありがと」
お風呂場に消えていく彼。
初めて見たときから1年。少し大人っぽくなった顔。背中。
……夢中になり過ぎてる。
「A、もう寝る？」
「…寝よっかな」
「そっか、俺も寝る。
つめてつめて」
「え……」
セミダブルのベットに19歳の男女。
…狭い。
「温っ」
「……狭い」
けど安心する。
目を閉じて微睡みの中に落ちて行った。
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華弥。(プロフ) - 櫻井かや丸さん» 返信が遅くなり、申し訳ありません。先程更新しましたので、よろしければご覧下さい(^^) (2019年10月25日 20時) (
レス) id: d5a525a881 (このIDを非表示/違反報告)
櫻井かや丸(プロフ) - 初めまして、更新はされないんですか？ (2018年8月9日 23時) (レス) id: 6620ed4e4b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：華弥。 | 作成日時：2017年9月23日 15時
