40＊相反した想い ページ40
「Aはさ、好きな人いる？」
「好きな人……？」
太陽の光がないせいで少し暗く感じる教室。
昼休みの喧騒の中で、声を潜めるように訊かれた。
「いない、と思う」
思考を巡らせてみたって結局は変わらない。
残念ながら恋愛には疎い方だし、正直に言うとまだ本気で好きな異性ができたことはない。
──ごく淡い想いなら抱いたことがないとはいえないけれど。
女子で好きな人、なら友達を挙げればいい。
でも男子と言われると変に意識してしまう。
ある意味、ちょっと変な気もする。
「そっか」
「璃愛は？いるの？」
興味本位だとは思われないように、慎重に尋ねる。
璃愛は、小さく頷いた。
「土曜日に、告白しようか迷ったんだ。でも出来なかった」
ずっと考えてたんだけどね──そう言って、気弱な笑顔を見せた。
別に、告白はバレンタインデーじゃなきゃいけないなんてことはない。
だけど、やっぱり特別な日に思い切ることが出来なかったっていうのは、彼女にとって大きいのかも知れない。
「誰なのか、聞いてもいい？」
「……
「ああ、四組の」
「そうだよ。去年おんなじクラスだったの」
ということは、去年から想い続けている、ってことだろうか。
私たちは六組。彼は四組。
そう教室は離れていないけれど、隣ではないから会う機会もあまりない。
「言えば、良かったのかな。声だけでも、かければ」
ぽつりと零れた言葉は、きっと璃愛の想いそのもの。
告白したら、もしかしたら上手く行くかもしれない。可能性はゼロじゃない。
でももし、断られたら。
彼を見つめることすら辛くなるかも。
大切な想いを失うことは、重いことだと思う。
小さな後悔。それから怖れ。
相反しているようにも見える二つの感情が璃愛の中で揺れていることが感じられて、すぐには答えられなかった。
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しろひつじ(プロフ) - みまりさん» ありがとうございます!!何回も読んでいただけるなんて本当に嬉しいです。テンション上がりますか、すごい……！ (2015年2月13日 21時) (
レス) id: 6b5ba321da (このIDを非表示/違反報告)
みまり - ちょー面白くて何回も読み直しています! これ読むとテンションアゲポヨになります! (2015年2月13日 20時) (レス) id: 7a2b267fa6 (このIDを非表示/違反報告)
しろひつじ(プロフ) - みーゆさん» みーちゃん！嬉しい!!!自分のこととかも考えながら書いてますー。ありがとう、頑張る！ (2015年2月10日 14時) (レス) id: 6b5ba321da (このIDを非表示/違反報告)
みーゆ - すごいねー！つい読みふけっちゃったよー(￣∇￣;)白ちゃんの実生活とかが混ざっててちょーおもしろかった！愛読者になっちゃいます笑笑 更新楽しみにしてるね！教えてくれてありがとうっ(*^_^*) (2015年2月10日 14時) (レス) id: 06beca72c0 (このIDを非表示/違反報告)
しろひつじ(プロフ) - りるぽんず*さん» りーちゃん！！！ありがとう！！！コメントまでしてくれて本当に嬉しい！まだまだ模索中ではあるけど、妥協せずに頑張ります。りーちゃんの更新ラッシュを見習ってかきかきするね！ (2015年1月20日 17時) (レス) id: 6b5ba321da (このIDを非表示/違反報告)
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