13＊ぺしゃんこの風船 ページ13
「こんにちはー！」
「こんにちはー」
ここちゃんの笑いが収まる頃にはだいぶ人数が揃っていた。
あとちょっとしたら出席取り始めるかな。
「それにしてもここちゃんたち。私が教科書をわざわざ教室まで取りに行くと思ったの？」
「だから遅くなるかなって言ってたんですよ、外れました」
何故か不敵な笑みを浮かべる雪ちゃん先輩。
私も笑いながら応じた。
雪ちゃん先輩は最高に面白い人だと改めて認識する。
「そうそう。戻ってこなかったらどうしようって」
「折角来たんだから当然でしょ？」
「そうなんですけど。てか先輩、このシリーズにずーっと夢中だけど大丈夫なんですか？ あの、勉強とかいろいろ」
問い掛けるここちゃんの声に若干本気の心配が混ざっていた。
部活の中で一番仲がいい先輩だからだろうな。私も心配。
「大丈夫、平気平気。息抜きだからね」
「先輩いっつもそれじゃないですか……かわいー後輩が心配してるのに」
「自分で言うのね」
「棒読みだから問題ありません」
ふざけながらも、ここちゃんは不満そう。
ここちゃん、心配性だからなあ。
「先輩」
「ん？」
「息抜き過ぎると、ぺしゃんこになっちゃいますよ？ ほら、空気抜いた風船みたいに」
「ぺしゃんこ、か……」
雪ちゃん先輩は、考え込むような表情になった。
ここちゃんも興味を持ってくれたみたい。
空気抜いた風船？ と呟いて、小さく首を傾げている。
「そう。その風船の中身は、なんていうか、積み重ねたもので。多分それを使って、上へ行くんだと思うんです」
積み重ねることで、風船を膨らませる。
その風船に掴まって、ふわふわ浮かんで。
どれだけ上に行けるかが、勝負。
──今は、貪欲で馬鹿みたいな、優位に立ちたい「私」が顔を覗かせているみたい。
まあ、今だけならいいか。
「風船が、手助けしてくれるのね。それって、受験の話？」
「ふっと思い浮かんだんです。もしかしたらそうかも」
我ながら曖昧な答えだ。
「面白いね。なんか、上手い」
「そうね。流石A」
二人に誉められて嬉しい。思わず笑顔になる。
「私」にもほんの少しはいいとこあるのかも、そんなことを思った。
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しろひつじ(プロフ) - みまりさん» ありがとうございます!!何回も読んでいただけるなんて本当に嬉しいです。テンション上がりますか、すごい……！ (2015年2月13日 21時) (
レス) id: 6b5ba321da (このIDを非表示/違反報告)
みまり - ちょー面白くて何回も読み直しています! これ読むとテンションアゲポヨになります! (2015年2月13日 20時) (レス) id: 7a2b267fa6 (このIDを非表示/違反報告)
しろひつじ(プロフ) - みーゆさん» みーちゃん！嬉しい!!!自分のこととかも考えながら書いてますー。ありがとう、頑張る！ (2015年2月10日 14時) (レス) id: 6b5ba321da (このIDを非表示/違反報告)
みーゆ - すごいねー！つい読みふけっちゃったよー(￣∇￣;)白ちゃんの実生活とかが混ざっててちょーおもしろかった！愛読者になっちゃいます笑笑 更新楽しみにしてるね！教えてくれてありがとうっ(*^_^*) (2015年2月10日 14時) (レス) id: 06beca72c0 (このIDを非表示/違反報告)
しろひつじ(プロフ) - りるぽんず*さん» りーちゃん！！！ありがとう！！！コメントまでしてくれて本当に嬉しい！まだまだ模索中ではあるけど、妥協せずに頑張ります。りーちゃんの更新ラッシュを見習ってかきかきするね！ (2015年1月20日 17時) (レス) id: 6b5ba321da (このIDを非表示/違反報告)
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