光る歌舞伎町 (ページ13)

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１３，処刑ページ13

ガチャ

処刑場の扉を開けると中に閉じ込められていた鉄の匂いが鼻をくすぐる。いくら掃除にしても取れないその匂いが充満する部屋の中央に裏切り者の男は座らされている。４０代後半くらいの男だろうか。頭部は髪が薄くなりお腹はスイカのように大きい。まぁ年齢通りの見た目だ。扉の音で目を覚ましたのか元々起きていたのか男は顔を上げ全身を舐めまわすように見てきた。気色悪い。一瞬にして気分が落ちた私は男のふくらはぎに弾丸をぶちこむ。

「お前のせいで気分が悪くなった。だから私を楽しませろ。」

そう言いながら近づくと男は来るな来るなと喚き散らかす。うるさいなぁ゛－。

ドンッドンッ

右肩，左腕に弾丸をぶちこむと男は更に煩くなる。失敗だったか。まぁいいや。私は弾丸で紅い血が出ている男のふくらはぎをスニーカー踏んでグリグリと刺激する。男は声にならない悲鳴をあげる。いや，声にならないのだから悲鳴を上げるはおかしいか。そう思っている間にも男の顔色は悪くなっていく。そうだ，殺したら駄目なんだよな。情報を吐かせたら止血しよ｡

「なぁ，おっさん。早く情報吐いてよ。」

「A，殺すなよ。」

殺しませんし。というかいつからいたんだろう。竜胆さん。蘭さんと首領さんいるし。

「いつから居たんですか｡」

どうやら九井さんに私がここにいるとと聞いて来たんだそう。後から聞いた話だと私がおっさんを殺しそうと思って首領さんと竜胆さん達を寄越したそうだ。皆して失礼な。まぁ取り敢えずこっちを先に片付けよう。私は竜胆さん達に聞こえないよう男の耳元でそっと囁く。

「早く吐かないともっと楽しいことしちゃいますよ。」

たった一言そう呟いただけで男はガタガタと震えだしみっともなく泣き叫びながら私のことを悪魔だの何だのと罵ってくる。竜胆さん達には急に叫びだした男を見て何が起こったのか分からないようだった。

ドンッ

男があまりにも煩かったので弾丸をもう１発撃ち込めば男は余程怖かったのか聞いてもいないことまでベラベラと喋りだした。

「良いですか。」

お目当ての情報はもう聞けたので首領さんにそう聞くと

「あぁ，殺せ。」

と返ってきたので遠慮無く。返り血が服に着かないように銃口を咥えさせて１発。

「終わりましたよ。」

そう言ったAの顔は清々しかったのだが何処か狂気じみていた。