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10.帰ってくれ5 ページ5








AもAで何故なんだという顔をしている。






一虎クンが大喜びしておばさんとワイワイと盛り上がっている。




Aだけは納得いかないと顔を顰めて場地さんを見ていた。








「…千冬ぅ」




「あっハイ!」




急にコソッと耳元で声をかけられたからビビった…。






「腹くくれよ」




「…え?」





場地さんの言葉の意味が分からなくて思考をめぐらせていると、Aが何故俺ではなく一虎クンを選んだのかその理由を聞いた。





待ってましたと言わんばかりに場地さんが答え始める。







「それは、一虎はAのこと好きって言ってっから。」






『なにそれ』





「自分が好きなやつと結婚するより自分を好きでいてくれるやつと結婚した方が幸せになれるって火サスで言ってた。






だからちゃんと好きって言う一虎といるほうがAは幸せになれるんじゃねぇの?



俺そういうの分かんねぇケド」






『恋愛系サスペンスか…いいな。なんて題名?』






…そういうことかよ、場地さん。







「まあそりゃ、好き好き同士で結婚するのが1番だけどな!」




『好き好き同士って可愛いな、相思相愛な?』




「それだ!そおしそーあい!」









「でも千冬はAのこと、好きじゃねぇみたいだし。やっぱ一虎だな。」






「…ッ





おっ、俺はッ俺だってAのこと…「こんにちはー。」…あ…。」






あと少しでAに好きって言えたのに、最悪のタイミングでお客さんが来てしまった。






「いらっしゃいませー!ごめんねみんな。お客さん来たから二階上がって待ってて。


A!リビングにお菓子置いてあるから皆に出してあげてね。」






『はーい!』







強制退場させられた俺たちはゾロゾロと階段を上る。







「はぁ…お前ってほんとついてねぇよな。」





「ウッス……。」





すみません場地さん…せっかくチャンスをくれたのに…。








また素直になるタイミング失っちまった。







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作者名:うい | 作成日時:2021年9月23日 0時

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