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そうだ。これから私、どうしたらいいんだろう。
これ以上お二人に迷惑はかけられないし。
だけど行く宛なんてなくて。
下を向いた私の頭の上に、ぽんっと手のひらが置かれた。
「俺の部屋とはこたろーの部屋、どっちがいい？」
……はい？
しるこさんが優しい微笑みで私を見ているけれど。
その言葉の意味が理解できなかった。
「どっちがいい、とは？」
「寝るとこ。さすがにリビングでは寝れないでしょ」
「いや、えっと、あの」
「さっきはこたろーと『どっちかの部屋しかないね』って話してたの」
ちょっと待って。
なんか話が勝手に進んでない？
寝る？このお家で？
私、ここにいてもいいの？
「Aちゃん行くとこないでしょ？」
「……そうですけど」
「またお腹空かせて路頭に迷いたい？」
「それは……いやです」
しるこさんがまた私の髪の毛をふわりと撫でた。
「記憶が戻るまででもいいからさ。俺らの家にしばらくお世話になりなよ」
しるこさんも、はこたろーさんも、優しく微笑んでいて。
なんだか私は泣けてきてしまった。
涙を見られたくなくて、ぐっと頭を下にさげたけど、しるこさんの手によってそれは遮られた。
私の頬を包み込むようにしるこさんの両手に挟まれた。
潤んだ視界の先で、にーっと嬉しそうに笑うしるこさんがぼんやり見える。
「泣いてる顔もかわいいねぇ」
こんなに甘やかされていいのだろうか。
二人の優しさに触れるたびに、心が暖かくなる。
「お世話になってもいいですか」
「俺らが良いって言ってんだよ？むしろこっちからのお願い」
「Aさんがいれば兄からの構って攻撃から逃れるので居てくれた方がありがたいです」
「ちょっとー！Aちゃんにヤキモチー？だいじょうぶ♡はこちゃんにも構ってあげるから♡」
「結構です」
やっぱりこの兄弟の会話は見てるだけで面白い。
ふふ、と笑った私を見て安心した笑顔を浮かべるしるこさんとはこたろーさん。
この二人といたいと思った。
『過去のことはわかんないんでしょ？未来はどうなるかわかんないし。だったら今の話しようよ』
そう私に言ってくれたしるこさんと、今、一緒にいたいと思った。
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M(プロフ) - みるさん» コメントありがとうございます！更新遅くて申し訳ないですが、嬉しいお言葉ありがとうございます！がんばります(´∀｀*) (5月29日 18時) (
レス) id: f7ed4f78e3 (このIDを非表示/違反報告)
みる - おもしろいです！いつも楽しみに更新待ってます！これからも頑張ってください。応援してます！ (5月26日 22時) (レス) @page6 id: d3a5e32cbd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：M | 作成日時：2023年5月3日 5時
